FAQとは、「よくある質問(Frequently Asked Questions)」の略で、ユーザーが感じやすい疑問や不安をあらかじめ質問と回答の形式で整理し、自己解決を促す情報ページを指します。近年では、問い合わせ対応の効率化や顧客満足度の向上を目的に、導入を進める企業が増えています。
しかし、FAQは掲載すれば自動的に活用されるというものではありません。内容が古かったり、回答が不明瞭だったりすると、かえって混乱を招いてしまう可能性があります。どのように設計し、運用していくかによって、成果に大きな差が生まれるのがFAQです。
本記事では、FAQを初めて作成する方や既存のFAQを改善したい方に向けて、FAQの基礎知識から作成時のコツ、作る際の注意点までわかりやすく解説します。
目次
FAQを整備しようと考えたとき、「どこから手をつければよいのか」と迷う方も少なくありません。ここでは、FAQの作成に入る前に押さえておきたい基本的な視点を紹介します。
たとえば、誰に向けて作るのか。どのような形式で提供するのが適しているのか。どの要素を組み込むべきか。これらをあらかじめ整理しておくことで、ユーザーにとって使いやすく、運用しやすいFAQの設計が可能になります。
またFAQは、質問と回答を並べるだけでは不十分です。利用者の立場に立ち、どのような場面で参照されるかを想定して構成を考える必要があります。作成後も、サービス内容や利用者のニーズにあわせて見直しや更新を継続していく姿勢が大切です。
まずは、FAQにはどんな種類があるのかを知り、それぞれがどんな場面に向いているのかを見ていきましょう。
FAQには大きく分けて、「顧客向け」と「社内向け」の2種類があります。どちらもよくある質問に対する回答を掲載するものですが、目的と読者が異なるため、構成や内容のアプローチも変える必要があります。
顧客向けFAQは、ユーザーからの問い合わせが発生する前に、想定される質問への回答を用意しておく仕組みです。操作方法や料金体系、キャンセルの手続き、トラブル時の対応など、問い合わせが集中しやすいテーマを中心に整理します。
よくある質問にあらかじめ対応しておくと、ユーザーは自分で情報を探し、疑問をその場で解消しやすくなります。問い合わせ件数の抑制につながり、サポート対応にかかる手間も軽減されます。購入前の不安をあらかじめ取り除いておくことで、意思決定の後押しにもつながります。
社内向けFAQは、従業員の業務を支えるための情報整理を目的としています。勤怠入力の方法、備品の申請手順、社内システムの使い方など、社内で繰り返し尋ねられる内容を一か所にまとめておくことで、同じ質問への対応が省力化されます。
社内の情報共有がスムーズになり、業務の属人化も防ぎやすくなります。新人研修やマニュアル代わりとしても活用されるため、教育にかかるコストや時間の削減も見込めます。
ユーザーにとって使いやすいFAQに仕上げるには、質問文、回答文、リンク、補足の4つをしっかり揃えることが大切です。どれか一つでも不足していると、せっかくのFAQも活用されにくくなってしまいます。ここでは、クラウドサーカス社の「Fullstar(フルスタ)」FAQページをもとに、それぞれの要素が果たす役割について解説します。
FAQを構成するうえで、最初に押さえておきたいのが「質問文」です。ユーザーが検索時に入力する言葉やフレーズを想定し、意図が明確に伝わる表現に整えることがポイントになります。
質問文はあいまいな言い回しでは、目的の情報にたどり着けないこともあります。たとえば「ログインできない」といった漠然とした表現ではなく、「パスワードを忘れたときの対応方法」のように、具体的な状況を想像できる書き方にすると、検索性と理解のしやすさが高まります。
回答文は、FAQの中で最もよく読まれる部分です。ユーザーがすぐに疑問を解消できるよう、まず結論を端的に示し、その後に理由や手順を補足する構成が基本です。
内容が長くなりそうな場合は、箇条書きや図解を活用して要点を整理すると、視認性と理解のしやすさが向上します。また、専門用語を使うときは、できるだけわかりやすい表現や簡単な説明を添えると親切です。
関連FAQリンクとは、1つの質問ではカバーしきれない情報を補うために設置する、別のFAQや関連ページへの案内リンクのことです。ユーザーの疑問が広がった際に次に参照すべき情報を示すことで、自己解決をサポートし、サイト内の回遊性も高める役割を果たします。
たとえば「商品の配送状況を確認したい」という質問に対して、「配送が遅れているときの対処方法」や「不在時の再配達依頼方法」など、関連性の高い内容へ案内するリンクを設けておくことで、ユーザーが次に知りたい情報へ迷わず進めるようになります。リンクは3件以内を目安に、必要な情報に絞って整理すると見やすくなります。
FAQ本文だけでは伝えきれない情報がある場合には、無理にすべてを詰め込まず、詳しい内容を補足資料や外部ページで案内する形が適しています。操作手順が多段階にわたるものや、規約・契約のように正確性が求められる内容などは、別ページにまとめておくほうが読みやすくなります。
その際は、マニュアルやガイド、利用規約へのリンクを添えておくと、必要なときに読者自身が確認できる環境を整えることができます。
また、掲載したリンクは、情報が古くなっていないか、定期的に見直しておくことが肝心です。
FAQの構成や見せ方は、対象ユーザーと目的に応じて変える必要があります。どんな形式がどのような場面に適しているのかを把握しておくと、より使われる設計が可能です。ここでは3つの代表的なスタイルを取り上げます。
ユーザー向けFAQは、主にWebサイト上に設置され、製品やサービスに関するよくある質問をまとめた形式です。お届け日数や返品対応、アカウント設定など、定型的な問い合わせを整理し、ユーザーが自分で疑問を解消しやすくなるよう情報を整備します。
構成はQ&A形式が基本で、ジャンル別に分類されているとより探しやすくなります。ユーザーによる自己解決が進めば、カスタマーサポートの負担が軽くなるだけでなく、購入前の不安を取り除くことにもつながります。特にECサイトやクラウドサービスでは、FAQの内容が離脱率や購入率に影響を及ぼすことがあります。
社内FAQは、従業員向けに業務関連のよくある質問をまとめた形式です。経費精算や勤怠入力、ITツールの操作方法など、日常的に発生する社内問い合わせを一元化し、属人化や対応負荷を軽減することが目的です。
新入社員研修やOJTにも活用できるほか、部署間での情報格差を埋める効果もあります。社内FAQを整備するには、定期的な見直しや、関係部署との情報共有による改善サイクルの仕組みづくりが必要となります。
また、社内の業務フローをまとめたFAQは、クラウド上にアップしておくと探す手間が発生し、結局見られないFAQとして放置されてしまいます。そのため最近では、自社で利用しているITツールの画面上に「?ボタン」や「入力ガイド」を上からかぶせるようにノーコード作成・表示し、それをFAQ代わりにしたり、そこからFAQの該当ページに遷移させたりすることで、「しっかりみられるFAQ」として問い合わせ削減や操作ミス防止につなげています。
具体的な方法や事例は、こちらの記事をご参照ください
関連記事:【2025年】社内問い合わせ業務を効率化・削減する方法7選。事例、役に立つシステムも紹介
最近では、チャットボットやシナリオ形式のナビゲーション型FAQを取り入れる企業が増えています。これらは「ガイド型FAQ」と呼ばれ、選択肢をクリックしながら情報にたどり着く形式です。
操作手順が複雑だったり、条件によって案内内容が変わる場合にも対応しやすく、システムに不慣れなユーザーや幅広い年齢層にとっても使いやすいのが特長です。画面の流れに沿って案内が進むことで、途中で迷うリスクも抑えられます。
従来のQ&A形式と併用することで、ユーザーごとの理解度や目的に応じた柔軟な対応が可能になります。
FAQの役割や種類を理解したところで、ここからは実際にFAQを作成していくためのフェーズに移ります。ユーザーにとって見やすく、必要な情報にすぐたどり着けるFAQを整えるには、作成から公開・運用まで、一連の流れを意識して取り組むことが求められます。
以下では、FAQの作り方を5つのステップに分けて解説します。
まず取り組みたいのが、「なぜFAQを作るのか」という目的の整理です。問い合わせ件数の削減、顧客満足度の向上、社内の業務効率化など、重視する目的によって作る内容や優先順位も変わってきます。
たとえば顧客向けのFAQでは、購入前の不安を取り除いたり、問い合わせ件数を抑えたりすることが主なねらいになります。一方で、社内向けの場合は、新人教育の効率化や業務の標準化といった目的に合わせて整理が必要です。
目的がはっきりしていれば、あとから見直す際にも「このFAQは本来の目的に合っているか」という視点で内容を検討しやすくなります。FAQを単なる情報の寄せ集めにしないためにも、まずはここから始めましょう。
続いて必要なのが、実際に寄せられている問い合わせの収集です。サポート窓口に届いたメールや、電話対応の履歴、営業担当者からのヒアリングなど、現場でのやり取りをベースに情報を集めていきます。
集めた内容は、似た質問同士をまとめる形で分類します。「ログインできない」「パスワードを忘れた」などはログイン関連に、「料金の確認」「支払い方法の変更」などは契約関連に分けると、あとで構成を組み立てやすくなります。
この段階で重要なのは、「どんな質問が多いのか」「どういった表現で聞かれているか」を把握しておくことです。パターンの傾向や表記の揺れを把握することで、よりユーザーに寄り添ったFAQに近づけられます。
問い合わせ内容を整理できたら、いよいよ質問と回答の作成に入ります。このとき意識したいのが、全体の一貫性です。
語尾のトーンや主語の使い方、回答文の語調などがバラバラだと、FAQ全体にまとまりがなくなってしまいます。FAQを複数人で作成する場合には、あらかじめテンプレートや表現ルールを共有しておくと安心です。
また、よく使われる質問の言い回しや、ユーザーが誤解しやすい表現なども事前に洗い出しておくと、スムーズに文章化できます。FAQは情報の一覧ではなく、「知りたい情報に自然にたどり着けるかどうか」が肝になります。その視点で構成を整えていくことが大切です。
完成したFAQは、いきなり公開せず、一度関係者に確認してもらいましょう。サポートチーム、開発部門、商品企画、広報や法務など、内容に関係する部署からフィードバックを受けることで、内容の正確性や表現のわかりやすさが磨かれます。
特に複数部署が関わる内容は、表記やニュアンスのズレが起こりやすいため、事前に調整しておくことで誤解を防げます。また、公開後も継続的に見直せるよう、定期的にチェックする体制を整えておくと安心です。
最後のステップは、FAQの公開とその後の運用です。どこに設置するか、どのように導線を設計するかを考え、自社サイトのサポートページやチャットボット、アプリ内など、適切なチャネルで提供しましょう。
公開後は、どのくらい活用されているかを把握することが欠かせません。閲覧数、検索キーワード、離脱率などの数値をもとに、ユーザーが情報にたどり着けているかを確認します。
ログ機能やアクセス解析を活用すれば、よく見られている質問や見られていない質問の傾向が見えてきます。そこから得られた情報をもとに構成や表現を見直していくことで、FAQはさらに使いやすく進化していきます。
FAQは完成した時点で終わりではありません。運用が始まってからの活用状況を見ながら、必要な調整を重ねることではじめて「使われる情報」になります。ここでは、運用フェーズにおける注意点や改善方法を紹介します。
ユーザーがどの情報に関心を持っているのかを知るには、アクセス解析ツールや検索ログを活用するのがおすすめです。
GoogleアナリティクスやFAQシステムの管理画面で、閲覧数が多いページや離脱率が高い項目、FAQ内検索で使われているキーワードなどを確認すれば、役立っている内容や改善の余地がある箇所を読み取ることができます。反対に、ほとんど見られていない質問があれば、カテゴリ構成や見せ方を見直すタイミングかもしれません。
まずは、定量的なデータをもとにユーザーの行動傾向をつかむことが、運用改善のきっかけになります。
分析結果をもとに、FAQの内容を見直します。情報が更新されていなかったり、ユーザーのニーズに合っていない項目があれば、優先的に修正を検討しましょう。
具体的には、参照が多い質問に手順画像や補足説明を加える、見られていない項目についてはタイトルの表現やカテゴリを工夫するといった対応が考えられます。また、新たな問い合わせ傾向に応じて、項目自体を追加することも効果的です。
実際の使われ方に合わせて少しずつ改善を重ねていくことで、FAQはより使いやすく、信頼される情報源へと育っていきます。
FAQの重要性は理解していても、「日々の業務が忙しくて手が回らない」「情報が分散していて整理できない」といった悩みを抱える方も多いかもしれません。特に複数業務を兼任している担当者にとって、FAQの整備や見直しは後回しになりがちです。
そこで近年注目されているのが、ユーザーの操作支援や情報整理を自動化できる「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」の活用です。業務効率化や定着支援を目的に、国内でも導入が進んでいます。
クラウドサーカスが提供するカスタマーサクセスツール「Fullstar(フルスタ)」は、こうしたDAPの考え方を取り入れたツールのひとつです。画面上に操作ガイドを表示するナビゲーション機能や、更新履歴の一元管理など、FAQ運用にかかる日々の負担を軽減する仕組みが用意されています。
また、ユーザーの操作ログを分析し、つまずきやすい箇所を可視化する機能も搭載されています。改善すべきFAQ項目を把握でき、導線の見直しも効率的に行えます。限られたリソースでも、安定した運用を続けやすくなります。
「自社で運用体制を整える余裕がない」「更新を忘れがち」という方にとっては、Fullstarのような仕組みの導入は有効です。必要な範囲だけを自動化し、ツールの力を借りることで、最小限のリソースでも最大限の効果を得ることができるでしょう。
FAQの整備に時間を割きにくいからこそ、見直しやすい仕組みを取り入れることが、業務負担の軽減につながります。
関連記事:導入で終わらないことがポイント!デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)とは?導入のメリットや機能を紹介!
FAQを形にする際、ちょっとした工夫で見やすさや伝わりやすさは大きく変わります。ここでは、FAQをより役立つ情報として機能させるためのコツを紹介します。
FAQは「ひとつの質問に対して、ひとつの答え」を基本にすると情報がすっきりまとまります。複数の疑問を一つの項目に詰め込んでしまうと、読者が必要な情報を見つけにくくなります。質問の意図を明確にし、回答も簡潔にまとめることで、検索性と理解度が高まります。
FAQの読みやすさには、文章の内容だけでなく見た目の工夫も欠かせません。段落ごとの余白や箇条書きの活用など、視線の流れを意識して整えると、読みやすさがグッと上がります。見出しや太字の使い方にも配慮し、情報の階層がひと目でわかるようにしましょう。
例えばこちらのように、箇条書きではなく画像を付け加えて手順をわかりやすく理解できるような構成だと、ユーザー目線でとても良いでしょう。
業界用語や社内でしか通じない言葉は、読者を迷わせる原因になります。特に社外向けのFAQでは、できるだけ日常的な言葉に置き換えるか、必要に応じて簡単な補足を入れると親切です。社内用でも、誰が読んでも伝わる表現を意識しておくと安心です
例えばこちらのFAQページでは「パラメータ」が分からない方向けに分かりやすい解説を付け加えています
FAQの情報が増えてくると、目的の質問を探すのが難しくなることがあります。そんなときは、内容をカテゴリー別に整理したり、タグを付けてナビゲーションを補強するとスムーズにたどり着けます。掲載件数に偏りがないかも、定期的にチェックするとよいでしょう。
情報量が多くなるほど、読み手が目的の情報にたどり着けなくなるリスクも高まります。FAQを作る際によくある失敗例や、事前に注意しておくべきポイントをあらかじめ押さえておきましょう。
FAQでは「丁寧に説明したい」という意識から、つい多くの情報を盛り込みたくなります。しかし、必要以上に情報を詰め込みすぎると、かえって読み手が本質をつかみにくくなる場合があります。FAQの目的は、ユーザーが疑問をすばやく解消できることです。情報の過不足を避けつつ、要点を絞った表現を意識しましょう。
長めの内容になりそうな場合は、一つの項目にすべてを詰め込まず、内容ごとに分割し、別の質問として整理するのも効果的です。また、関連する内容には内部リンクを設定するなど、ユーザーが自然に情報へアクセスできるよう導線を整える工夫も重要です。
FAQに誤った情報やあいまいな表現が含まれていると、ユーザーからの信頼を損ねるおそれがあります。場合によっては、誤解を招いたり、不要な問い合わせにつながったりするリスクも生じます。文章作成時は「~かもしれません」や「おそらく」などの語句は避け、はっきりとした表現を心がけるようにしましょう。
また、FAQの公開前には関連部署や担当者による内容のチェックを行い、正確性を担保する体制を整えておくと安心です。更新のたびにレビューできるよう、運用フローに組み込んでおくと、品質の維持にもつながります。
FAQが活用されるには、検索のしやすさや情報の並べ方、ページの見やすさなど、利用者の視点を踏まえた設計が欠かせません。情報に迷わずたどり着ける構成を心がけることで、使いやすく、信頼されるFAQへと成長していきます。
実際、FAQの整備が不十分な場合、基本的な操作確認や初歩的な質問でも、すぐにサポート窓口へ問い合わせが集中してしまいます。2024年にFullstarが行った調査では、社内の問い合わせのうち約6割がツールの使い方など基本的な内容だったという結果が出ています。
参考:Fullstar「DX推進およびDAPに関する実態調査」
この傾向からも、「よくある質問」に先回りして答えを示し、利用者がスムーズに情報へたどり着ける仕組みを整えることの重要性が見えてきます。
そのための支援策として有効なのが、Fullstarのようなナビゲーションツールです。画面上で情報を提示したり、操作の流れに応じてFAQを表示したりと、迷わせない工夫が多く盛り込まれています。また、FAQの導線や閲覧データを可視化できる機能も備えており、求められている情報が何かを把握しやすくなります。
FAQの活用を継続的に改善していくには、現場の負担を軽減しながら定期的に見直せる体制づくりが大切です。ツールの力を借りることで、属人化を防ぎつつ、無理なく「使われるFAQ」へと育てていくことができます。
FAQの作成や運用は、社内体制や目的に応じて、適切なツールを選ぶことが効率化の鍵となります。ここでは、代表的な4つの方法を紹介します。
社内でFAQを簡易的に管理・共有したい場合に便利なのが、スプレッドシート形式です。
導入コストがかからず、誰でもすぐに扱えるのがメリットです。質問・回答・関連リンク・更新日などを一覧で整理でき、初期段階の構築に向いています。ただし、デザインや検索性の面では限界があるため、FAQを「社外公開」する場合には不向きなこともあります。
社内ナレッジの土台として活用し、整理された内容を別のツールへ移行するステップとして取り入れるケースもあります。
本格的にFAQを運用していきたい企業には、専用のFAQシステムの導入が向いています。
カテゴリー分けや検索機能、閲覧ログの分析といった管理機能が充実しており、FAQの改善や拡充にも取り組みやすくなります。また、社外ユーザーにも公開できるため、問い合わせ対応の効率化にもつながります。
一方で、操作に慣れるまでに多少の学習が必要な場合もあります。導入前にはUIの使いやすさやサポート体制を確認し、自社の利用者層に適しているかを見極めることが大切です。
関連記事:2025年最新のFAQシステムおすすめ10製品を比較!選び方とFAQシステム価格相場も解説
マニュアルサイトは、製品やサービスの使い方を体系的にまとめたWebページです。
操作方法や設定手順、よく寄せられる質問への対応内容などを整理し、ユーザーが自分で問題解決を進めやすくすることが目的です。図解や動画などを組み合わせることで視覚的な理解が深まり、文章だけでは伝えにくい操作手順もわかりやすくなります。
Fullstarでも、よくある質問をまとめたマニュアルサイトを公開しており、ユーザーがいつでも確認できる環境を提供しています。FAQだけではカバーしきれない操作支援や、更新情報の共有手段としても活用されています。
関連記事:マニュアル作成ツールおすすめ比較17選(無料版あり)~目的別の選び方や作成のコツもご紹介~
FAQの「使われ方」を改善したい場合には、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の活用が効果的です。DAPは、画面上に操作ガイドやツールチップを表示し、ユーザーが迷わずシステムを使いこなせるよう支援する仕組みを備えたツール群です。
たとえば、FAQページに直接遷移しなくても、操作の途中で関連するFAQをポップアップ表示したり、つまずきやすい箇所にリアルタイムでナビゲーションを提示したりすることができます。「FAQを見つけられない」「使い方が分からない」といった課題を解消し、自己解決を自然な形で促進できます。
DAPの導入効果は高く、Fullstarの調査によると、導入企業のうち67%が「一定の効果を感じた」、さらに11%が「非常に強い効果を感じた」と回答しています。全体の約8割が有効性を実感しており、業務効率や定型対応の削減において明確な成果が得られていることがうかがえます。
参考:Fullstar「DX推進およびDAPに関する実態調査」
Fullstarは、DAPに該当するツールの一つです。FAQとの連携機能に加えて、ユーザー操作を支援する多様な機能を備えています。問い合わせ対応や研修の負担を減らしたい企業にとって、現場の業務改善を後押しする存在となります。
ここでは、FAQの整備・活用によって実際に成果を上げた3社の事例をご紹介します。
株式会社北豊島園自動車学校では、入校希望者や在校生からの問い合わせが月に300件以上寄せられていました。多くは料金プランの確認や予約の流れ、教習内容の詳細といった定型的な内容で、対応の約8割が電話経由。1件あたり10~15分かかることもあり、スタッフ6名の運営体制では業務負担が課題となっていました。
そこで導入したのが、クラウドサーカスが提供するAIチャットボット「IZANAI powered by OpenAI」です。Webサイト上にチャットボットを設置し、よくある質問に即時対応できるようにしたことで、従来の電話やメール対応を大幅に削減。導入後は、月間の問い合わせ対応件数が約半数に減少し、スタッフがより接客や案内業務に集中できる環境を整えることができました。
今後は、Webサイトの更新内容と連動してチャットボットの情報も自動反映できるよう、さらなる効率化にも取り組んでいます。
参考:月300件の問い合わせを半分に!AIチャットボットで実現した接客に専念できる環境づくり|株式会社北豊島園自動車学校様
株式会社ジモティーでは、月間1万5,000件にのぼる問い合わせに対応しており、その多くがログインや会員登録など、基本操作に関する内容でした。現場では対応業務がひっ迫し、運営に支障をきたすような状況が続いていました。
このような背景から、FAQシステム「Helpfeel」を導入。表記の揺れや曖昧な入力にも対応できる検索機能により、ユーザー自身での解決を後押ししました。運用開始から1年後には、問い合わせ数が7,200件にまで減少し、1日あたり14時間の対応工数も削減されました。
カスタマー対応だけでなく、カスタマーハラスメントの減少という副次的な効果も現れました。現在はチャットボットとの連携も視野に入れ、継続的な改善に取り組んでいます。
参考:月間1万5,000件もあった問い合わせが半数以下に!「さばく」から「満足度の高い」問い合わせ体験を
エコナビスタ株式会社では、介護施設向けのSaaS型見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」を提供する中で、導入初期の研修にかかる時間と負担が大きな課題となっていました。
そこで、Fullstarを採用し、ユーザーが実際に操作する画面上に、FAQ形式のチェックリストやチュートリアルを組み込む仕組みを導入。24時間いつでも必要な情報にアクセスできる環境を整えたことで、マニュアル閲覧の手間を省きながら、ユーザー自身による理解を深めることができました。
その結果、従来必要としていた基本操作研修の時間は約3分の1に削減。オンボーディングの効率化により、研修未受講者を含めた活用度合いの平準化も進みました。カスタマーサクセスチームの負担軽減にも貢献しており、解約率0.003%という驚異的な水準を実現しています。
参考:導入初期の操作研修時間を1/3に削減!解約率0.003%を実現するエコナビスタのカスタマーサクセス
せっかくFAQを整備しても、「なかなか見てもらえない」「結局サポートに問い合わせが来る」といった悩みを抱えていないでしょうか。内容そのものに問題がなくても、ユーザーに届きにくい状態では、思うような効果は得られません。
本当に活用されるFAQにするためには、作ったあとも更新しやすく、必要なタイミングで自然に情報が届くような仕組みが必要です。
そうした運用を支えるツールのひとつがFullstarです。Fullstarは、画面上にFAQや補足情報を自然に表示できるシステムを備えた、カスタマーサクセスツールです。たとえば、ユーザーが操作中に迷ったタイミングで表示されるツールチップや、ガイド形式で進められるチュートリアル機能により、必要な情報を必要なときに届ける運用が可能になります。
FAQを「探されるもの」から「自然に届くもの」へと変えられるのが、Fullstarの強みです。
さらに、ユーザーの操作ログや満足度データを自動的に収集・分析できるため、つまずきやすいポイントの可視化や改善にも活用できます。実際に、Fullstarの導入企業では、メールアンケートの4倍以上の回答率を記録した事例もあり、フィードバックを得やすい環境づくりにも役立っています。
届け方まで設計されたFAQは、運用の質を大きく変えます。Fullstarは、その一歩を仕組みから支えてくれる存在です。
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