kintone導入の向き不向きとは?弱みや強み、向いている業務を解説!

kintone導入の向き不向きとは?弱みや強み、向いている業務を解説!

kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供する業務改善プラットフォームです。プログラミングの知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリを直感的に作成できるノーコード・ローコードツールとして、多くの企業で活用されています。

柔軟性が高く、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に利用されていますが、一方で「kintone 向き不向き」というキーワードで検索されることがあるのも実情です。これは、kintoneの“強み”と“弱み”を理解しないまま導入してしまうことが原因のひとつと考えられます。

本記事では、導入で失敗しないためにkintoneの強みと弱み、向いている業務・向いていない業務の特徴を具体例を交えながらわかりやすく解説します。

この記事はこんな方におすすめです。

  • kintoneの「弱み」や「できないこと」を事前に知っておきたい
  • 自社の業務がkintoneに向いているか確認したい
  • Excelや既存システムからの移行を検討しており、判断材料がほしい

このような課題をお持ちの方はぜひ最後までご覧ください。

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目次

kintone(キントーン)導入前に知っておきたい「向き・不向き」

kintoneはその手軽さと柔軟さから、多くの企業で導入が進んでいます。ただし、導入を成功させるには、「どんな課題を解決したいのか」を明確にし、kintoneの特性を理解しておくことが大切です。まずは、kintoneの基本を見ていきましょう。

kintoneとは?

kintone
画像引用元:Kintone

Kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務改善プラットフォームです。最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で自社専用のアプリを作れることです。ドラッグ&ドロップで項目を配置し、すぐに使える業務システムを構築できます。

kintoneが得意とすること Excel管理からの脱却: 案件管理・顧客リスト・日報・タスク管理など、Excelやスプレッドシートで個別管理していた情報を一元化できます。 情報共有のスピードアップ: コメント機能とデータベース機能が連携しており、「データを見ながら話す」コミュニケーションが可能です。 業務プロセスの可視化: 申請・承認などのワークフローを、コードを書かずにシステム化できます。

このように、現場業務の効率化や情報共有の改善を得意としており、現場の担当者自らが業務を仕組み化できます。

しかし、「何でも作れそう」という自由度が、導入時の落とし穴になることもあります。 たとえば、

  • 会計や販売管理などの「基幹業務」までkintoneで構築しようとする
  • 大量データをリアルタイムに分析しようとする

といったケースでは、「思ったように使えない」「運用が複雑になった」といった失敗につながる可能性があります。自社の課題と照らし合わせて、どの業務に向いているか・向いていないかを見極めることが、導入成功のポイントです。

kintoneが「不向き」とされる弱みとは

kintoneを検討する際、弱みを理解しないまま進めると「思ったより動作が重い」「必要な業務が再現できない」といった問題に直面するリスクがあります。ここでは、導入前に押さえておきたい4つの弱みを解説します。

1.大量データ(ビッグデータ)の扱いや高速検索

kintoneは、数百万件といった大規模データを扱う業務には適していません。検索や集計を多用するようなシーンでは、処理速度の低下が発生する可能性があります。

  • パフォーマンスの懸念: 1つのアプリに登録できるデータ数に明確な上限はありませんが、数十万件を超えるあたりから動作が重くなる傾向があります。
  • 検索・集計の限界: 大量データを対象にした複雑な条件検索や、リアルタイムの集計処理は得意ではありません。
  • APIの制限: 外部システムと連携してデータを一括登録・更新する場合も、APIの実行回数や同時接続数に制約があります。

2.複雑な計算処理や集計(Excel関数・マクロの完全代替)

Excelで複雑な関数やマクロを使っている業務を、そのままkintoneで再現するのは避けたほうがよいでしょう。

  • 対応していない関数: kintoneの計算フィールドで使える関数はExcelより限定的で、基本的な統計関数や条件分岐は標準で使えますが、財務関数など一部は対応できません。
  • クロス集計の制約: Excelのピボットテーブルのように、複数の軸を組み合わせた柔軟な集計は難しいです。
  • VBAマクロの代替不可: マクロで自動処理していたような複雑なデータ加工やシート間連携は、kintone単体では実現できません。JavaScriptでのカスタマイズや、プラグイン導入が必要になります。

3.ストレージ容量の制約(1ユーザーあたり5GB)

kintoneの標準プランでは、1ユーザーあたり5GBというストレージ上限が設定されています。ストレージ容量は追加購入できますが、データ量が多い業務ではランニングコストが想定以上にかさんでしまうかもしれません。

  • 全社での上限: たとえば100ユーザーで契約した場合、企業全体で利用できるストレージは「100ユーザー×5GB = 500GB」となります。
  • 容量圧迫の要因: この容量は、アプリのレコードデータだけでなく、添付されるファイル(PDF、画像、Excelファイルなど)も含まれます。
  • 中〜大企業での懸念: 図面や高解像度の写真、契約書PDFなどを多く扱う業務では、容量がオーバーする可能性があります。

4.基幹システム(会計・販売管理など)としての利用

kintoneは「業務改善プラットフォーム」であり、会計・販売・人事などの基幹システムを置き換えるツールではありません。これらの分野は、法令や業界標準が厳密に定められている領域です。kintoneで無理に再現しようとすると、正確性や保守性の面で問題が生じる恐れがあります。

  • 会計・財務: 複雑な仕訳や減価償却、キャッシュフロー計算書の作成などは対応していません。
  • 販売・在庫管理: 在庫引当やロット管理、得意先別の掛率設定など、厳密なロジックを必要とする処理は苦手です。
  • 人事・給与: 社会保険料や所得税の自動計算、年末調整といった給与機能もありません。

kintone導入が「向いていない」企業・業務の特徴は

ここでは、kintoneの導入が向いていない企業や業務の特徴をご紹介します。

特徴1:全社の基幹システムをすべて入れ替えようとしている

会計や販売管理など、会社の根幹を支えるシステムをkintoneでゼロから構築するのはおすすめできません。専門性の高い処理には対応していないため、帳票が出せない、処理が複雑化するなどの問題が起こりやすくなります。kintoneは基幹領域を補完し、紙やExcelで行っていた業務を効率化する用途に適しています。

特徴2:大規模データを分析したい

過去の売上データやアクセスログのような大規模データを、リアルタイムで分析する用途には向きません。標準のグラフ機能にも限界があるため、分析はBIツール側で行い、kintoneはデータ入力・収集の拠点として使う運用が現実的です。

特徴3:プラグインや連携開発の予算・リソースがない

kintoneは、業務改善に強みを持つツールであり、会計・販売管理・人事など、専門的な処理や法令対応が求められる領域を担う設計ではありません。カスタマイズできる柔軟さを活用して、複雑な計算処理や帳票出力、他システムとの連携などは、プラグイン(追加機能)やJavaScript開発で対応しましょう。

ただし、これらの拡張には費用がかかります。あとから「必要な機能を実現するには別料金が必要だった」と気づき、予算オーバーになるケースも珍しくありません。活用するうえで最低限の予算は確保しておきましょう。

kintone導入が「向いている」企業・業務の特徴

ここまで、kintoneの苦手分野を見てきましたが、もちろんkintoneが持つ強みが最大限に活きる領域も数多くあります。強みを活かせるのは、以下のような課題を抱える企業や業務です。

特徴1:Excelやスプレッドシートでの管理に限界を感じている

kintoneが最も得意とするのが、「脱Excel」「脱スプレッドシート」の領域です。

  • 属人化の解消: 「担当者しかわからない」「最新版がどれかわからない」といったExcel依存の課題を解決します。
  • 同時編集とリアルタイム共有: 複数人で同時に閲覧・編集でき、常に最新の情報をチーム全体で共有できます。
  • データの一元管理: 顧客情報・案件情報・タスクなど、個別に管理されていたデータを1つのアプリに集約できます。
  • 検索性の向上: あいまいなキーワードでも、必要な情報をすぐに検索できます。

特に、「Excelの案件管理表を各自が更新しているため、集計に膨大な手間がかかる」という悩みを持つ営業部門・管理部門に最適です。

特徴2:部門・チーム単位で業務改善をスモールスタートしたい

特定の部署やチームで、現場主導のスピーディな業務改善を進めたい場合、kintoneは非常に効果的です。

  • 現場での内製化: 「システム部門に依頼するほどではないが、手作業を効率化したい」というニーズに応えられます(例:日報の集計、備品台帳の管理、申請書の電子化など)。
  • スピード重視: 数ヶ月の開発期間を待たず、すぐに作って試し、使いながら改善(アジャイル型開発)できます。
  • 柔軟な変更対応: 業務の変更に合わせて、担当者自身がアプリの項目や設定を編集できます。

このような「スモールスタート×高速なPDCA」のアプローチをとる現場改善において、kintoneの手軽さが効果的です。

特徴3:情報共有の属人化を解消し、業務を標準化したい

kintoneは「データベース」と「コミュニケーション機能」が密接に連携しているのが特徴です。

  • データ起点のコミュニケーション: 「この案件について、Aさんに確認したい」といった場合に、そのデータのスレッド(コメント欄)で会話ができます。メールや別チャットツールを探す手間がなくなります。
  • プロセスの可視化: 「この申請は誰が承認待ちなのか」といった業務フローを可視化できます。標準的なワークフローを構築しやすくなります。
  • ナレッジの蓄積: 過去の案件履歴や問い合わせ内容を蓄積し、担当者が変わってもスムーズに引き継げます。

「情報はExcelとメールに分散しており、経緯が追えない」と悩む企業にとって、「kintoneを見れば、データもやり取りもわかる」という状態を実現します。

kintoneの「不向き」を解消し、導入を成功させるには

kintoneの弱みは、導入や運用の工夫によって十分にカバーできます。大切なのは、「導入して終わり」ではなく、どう社内に定着させ、活用を広げていくかという視点です。ここでは、導入を成功に導くための3つのポイントを解説します。

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対策1:導入目的と「kintoneでやらないこと」を明確にする

重要なのは、kintoneを導入する目的を明確にすることです。

  • 解決したい課題を一つに絞る: 「Excel管理の属人化をなくしたい」「申請ワークフローを電子化したい」など、まずは最も効果を出したい領域にフォーカスします。
  • 「やらないこと」の定義: 「会計処理は専用システムで行う」「大量データ分析はBIツールに任せる」など、システムの役割を明確に分けることが大切です。
  • 社内の期待値をコントロールする: 経営層や現場メンバーに対しても、「特定の課題を解決するためのツール」であるという正しい認識を共有しておくことで、導入後のギャップや失望を防げます。

対策2:現場の課題をヒアリングし、スモールスタートで検証する

「全社一斉の基幹システム導入」で失敗してしまうケースも多いです。まずは、小さくはじめて現場の成功体験を積み重ねることがポイントです。

  • 現場の声を取り入れる: システム部門だけで要件を決めるのではなく、実際にツールを使う現場の担当者の意見をヒアリングし、アプリ設計に反映させます。
  • 導入範囲を限定する: 「営業部の日報管理」や「総務部の申請業務」など、限定的な業務から導入して効果を検証します。
  • 効果を見える化して共有する: 「日報集計の時間が1/10になった」など、小さな成果を社内で共有し、他部門にも広げていくことで自然な拡大が可能になります。

このプロセスを通じて、現場のメンバーが「自分たちで業務を改善できる」という意識を持つようになり、内製化につながります。

対策3:外部連携サービスやプラグインの活用を前提とする

kintoneは、外部サービスやプラグインを組み合わせて補完する発想が重要です。

  • プラグインの活用: 帳票出力(PDF化)、Excelの高度な集計、カレンダー表示など、標準機能で不足する部分は、プラグインで手軽に強化できます。
  • 外部連携サービスの活用(iPaaSなど): 会計システムやSFA、BIツールなど、既存の専門システムとkintoneを連携させ、kintoneを「ハブ」として機能させます。
  • 専門パートナーのサポート相談: 社内に開発リソースがない場合や、複雑な要件がある場合は、kintoneに精通したパートナー企業の支援を受けることで、導入リスクを大幅に減らせます。

kintoneの魅力の一つは、高い拡張性と連携性です。「すべてをkintoneで完結させる」のではなく、最適なツールと組み合わせることが、導入を成功に導くカギになります。

kintone導入成功事例

kintoneの「向き不向き」を理解し、その強みを活かすことで、大きな業務改善を達成した企業も数多く存在します。ここでは、パーソルキャリア株式会社様の事例をご紹介します。

ITプロジェクトを支える管理部門でkintoneを導入。情報共有とガバナンス強化を実現したパーソルキャリア株式会社の事例

パーソルキャリア株式会社は、「DODA」や「MIIDAS(ミーダス)」など、多様な人材サービスを展開する総合人材企業です。

同社のIT統括部では、社内のITプロジェクトを横断的に支援する立場として、年間100件を超えるプロジェクトのガバナンスや申請の管理を行っています。しかし、従来のExcelやメール中心の運用では、情報が分散し、承認の抜け漏れや進捗確認の手間が課題となっていました。

そこでIT統括部は、kintoneを導入。プロジェクトに関する申請・進行・発注情報を一元管理するためのアプリを内製しました。主なアプリは次の3つです。

  1. プロジェクト管理アプリ  案件の実績や評価、承認履歴などを記録し、進行状況を見える化。
  2. IT審議アプリ  IT投資に関する稟議申請をkintoneで実施し、申請書類の一元管理を実現。
  3. 発注アプリ  承認後の発注手続きをアプリで管理し、関連データを自動連携。

これにより、現場担当者が自らプロジェクト内容を更新できるようになり、その情報をリアルタイムで確認することが可能に。承認フローの迅速化、入力ミスの減少、情報閲覧性の向上が実現しました。

参考記事:パーソルキャリア 様の導入事例

kintoneの定着化を支援するデジタルアダプションツールの活用

kintoneの導入計画を立てても、最後に立ちはだかるのは「日常的に使いこなせるか」という「定着化」の課題です。

kintone導入の「不向き」をツールでカバーする

kintoneが「使いにくい」と感じられる要因の一つが、導入後の運用面にあります。

  • アプリが乱立し、ルール(ガバナンス)があいまいになる
  • 操作方法がわからないユーザーからの問い合わせが増える
  • マニュアルが整備・更新されず放置される

こうした問題が積み重なると、kintoneが一部の担当者だけのツールになり、多くの社員から「また新しい、面倒なシステムが増えた」と思われてしまいます。

定着させるためには、従来の研修や分厚いマニュアルに頼る方法では限界があります。そこで注目されるのが「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」と呼ばれる仕組みです。

デジタルアダプションプラットフォームとは、導入したシステムの定着を促進するツールのことです。kintoneなどのWebシステムの画面上に、操作ガイドや入力ルールをリアルタイムで表示し、ユーザーが自ら操作を学べるように支援します。利用することで、操作に迷う社員でもマニュアルを見ずに使いながら習得できます。

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システム定着化を加速する「Fullstar(フルスタ)」とは

当社の「Fullstar(フルスタ)」は、国産のデジタルアダプションツールとして様々なシステムの社内定着化をサポートします。

  • チュートリアル・ガイド作成: kintoneの操作画面上で、「次へ」「ここをクリック」といったガイドを順番に表示。ユーザーはマニュアルを見なくても、ガイドに従うだけで操作を完了できます。
  • 入力ルールの徹底: 「この項目には半角数字で入力してください」といったルール(ツールチップ)を、カーソルを合わせたときに補足できます。
  • ノーコードで設定可能: チュートリアルやツールチップは、専門的な知識不要で簡単に作成・変更できます。

kintone導入時にFullstarを併用すれば、社員は「操作を覚える」負担から解放され、迷うことなく業務を進められます。

kintoneの「向き不向き」を見極め、自社のDXを推進しよう

kintoneは、現場主導で業務アプリをスピーディに構築できる柔軟なツールです。一方で、大量データの処理や複雑な計算など、基幹システムの代替には不向きな面もあります。重要なのは、kintoneの特性を理解し、「kintoneで行う業務」と「専門ツールに任せる業務」を明確に切り分けることです。

導入の成功を左右するのは「ツールを入れたか」ではなく、「現場で実際に使いこなされているか」です。kintoneの「向き不向き」を見極めたうえで、導入後の定着を支援する「Fullstar」のようなデジタルアダプションツールを併用すれば、DXの効果を最大化できます。

Fullstar」は、システムの操作ガイドやチュートリアルを画面上に表示し、ユーザーの「わからない」を解消します。kintoneをはじめとするSaaSツールの導入・定着化に課題をお持ちの方は、ぜひ一度触れてみてください。

【3分でわかる】Fullstar(フルスタ)概要資料

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