マニュアル作成ツールは、業務手順書や操作マニュアル、動画マニュアルなどを効率的に作成・管理できるツールです。ただし「マニュアル作成ツール」と一口に言っても、業務フロー向け・操作画面向け・動画向け・ナレッジ蓄積向けと目的によって選ぶべきツールは大きく異なります。
自社の状況に応じて「Wordで作成した既存のマニュアルを取り込めるか?」など、確認が必要なポイントも異なるため、数多くの中からどのツールを選んでよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、目的別に17のマニュアル作成ツールを比較一覧表付きで紹介します。料金・機能・無料プランの有無も整理しているので、自社に合ったツールを選ぶ判断材料としてご活用ください。
目次
マニュアル作成ツールは、業務手順書や操作マニュアル、動画マニュアルなどを効率的に作成・管理できるツールです。ただし「マニュアル作成ツール」と一口に言っても、業務フロー向け・操作画面向け・動画向け・ナレッジ蓄積向けと目的によって選ぶべきツールは大きく異なります。
工数や手間を省いて簡単にマニュアル作成ができるだけでなく、作成したマニュアルの管理や運用を一貫して行えるメリットもあります。
WordやPowerPointでいちから作成するよりも手早く、プロフェッショナルなクオリティに仕上げてくれるのも「マニュアル作成ツール」ならではです。PCだけでなくスマホやタブレットなど複数の端末で共有できるツールも増えており、「一度作成してそれっきり」「せっかく作成しても社内で浸透せずあまり使われていない」など、マニュアルによくある課題を解決する、さまざまな機能を備えています。
マルチデバイスの普及により、画像や説明文のみでなく、動画でマニュアルを作成できるツールも登場してきました。利用する側にとってもより直感的に理解でき、作業者間での円滑なコミュニケーションに役立つことから、人気を博しています。
また、マニュアルは「業務全体の指針」を示し、手順書は「作業の具体的な流れ」を示すものです。
マニュアル作成ツールは、大きく4つのタイプに分けられます。まずは以下の比較表で全体を俯瞰し、自社の目的に近いタイプから詳細を確認してみてください。
| タイプ | ツール名 | 特徴 | 料金目安 | 無料プラン |
|---|---|---|---|---|
| 業務マニュアル向け | Teachme Biz | 画像ベースのステップ型マニュアル。認知度・満足度ともに高い | 月額5万円〜 | 14日間トライアル |
| COCOMITE | レイアウトに沿って入力するだけ。スモールスタートにも対応 | 月額22,000円〜 | 30日間トライアル | |
| ヘルプドッグマニュアル | AIがマニュアルのたたき台を自動生成。100言語以上の翻訳対応 | 月額35,000円〜 | 14日間トライアル | |
| Dojo | 操作の自動記録と豊富なテンプレート。最大96%の工数削減実績 | 要問い合わせ | 30日間トライアル | |
| PMX | 大量ページ・多言語対応。改訂頻度が高い技術文書向き | 初期350万円〜 | 要相談 | |
| WikiWorks | Wordライクの操作感。共同編集と多フォーマット出力に対応 | 要問い合わせ | あり | |
| 操作マニュアル向け | Fullstar | 画面上に直接ガイドを表示するDAP型。ノーコードで設定可能 | 無料〜 | フリープランあり |
| iTutor | 操作を録画するだけでマニュアル自動生成。多形式で出力可能 | 165,000円〜 | 21日間トライアル | |
| ManuaLive | PDFのWebマニュアル化。フィードバック収集と分析機能搭載 | 初期10万円〜 | デモあり | |
| 動画マニュアル向け | tebiki | スマホ撮影→字幕自動生成→100カ国語翻訳。現場教育に強い | 要問い合わせ | あり |
| Clip Line | 多店舗の動画共有に特化。全スタッフへの双方向コミュニケーション | 要問い合わせ | なし | |
| soeasy buddy | スマホで撮影→字幕付き動画マニュアル。社内SNS機能も搭載 | 月額35,000円〜 | なし | |
| VideoStep | PowerPoint感覚の編集。視聴分析と承認ワークフロー搭載 | 月額5万円〜 | あり | |
| ナレッジ蓄積向け | Zendesk | 検索性の高いナレッジベース構築。世界10万社以上の実績 | 月額約8,000円/人〜 | 14日間トライアル |
| NotePM | 社内Wikiとして人気。強力な全文検索とシンプルなUI | 月額4,800円〜 | 30日間トライアル | |
| KnowledgeSh@re | Word取り込み可能。人材育成とナレッジ共有を一体化 | 月額10万円〜 | 60日間トライアル | |
| Qast | Q&A形式の社内知恵袋。Slack・Teams連携でナレッジを自動蓄積 | 月額600円/人〜 | あり |
ツール選定の第一歩は、「何のマニュアルを作りたいか」を明確にすることです。業務全体のフロー整理なら文書テンプレート型、操作画面の定着ならDAP型、現場教育なら動画型が向いています。目的を絞れば、比較すべきツールは3〜4製品に絞り込めます。
マニュアル作成ツールは目的によって適したタイプが異なります。まず自社が作りたいマニュアルを以下の4つに分類し、対応するツールカテゴリを確認しましょう。
業務マニュアル・手順書:業務全体のフローや作業手順を文書化する用途です。テンプレートに沿って入力するだけでフォーマットが統一される「文書テンプレート型」が適しています。事務職の業務手順書や経理処理のマニュアルなどが代表的な例です。
操作画面の手順書:システムやPCツールの操作方法を説明する用途です。画面キャプチャの自動取得や、画面上に直接ガイドを表示するナビゲーション機能を持つツールが向いています。
動画マニュアル:飲食・介護・製造など、動作の説明が必要な現場教育向けです。スマホで撮影した動画に自動字幕・翻訳を付けられるツールなら、外国人スタッフへの教育にも対応できます。
ナレッジ蓄積:口頭伝達や個人メモに頼りがちなノウハウを集約し、検索・共有できるようにする用途です。社内Wikiやfaq形式のツールが候補になります。
目的が決まったら、そのカテゴリの中でどの機能が自社に必要かを見極めます。主に確認したい機能は以下の通りです。
テンプレート・レイアウト機能:用途に合ったテンプレートが用意されていれば、初めてマニュアルを作る担当者でも品質の揃った文書を作成できます。テンプレートの「数」だけでなく、自社の業務内容に合ったものがあるかを無料トライアルで実際に確認するのがおすすめです。
画面キャプチャ・自動記録機能:操作マニュアルを多く作成する場合は、PC操作を録画して自動でスクリーンショットや説明文を生成してくれる機能が工数削減に直結します。
検索機能:マニュアルの数が増えてくると、必要な情報にたどり着けるかどうかが活用率を大きく左右します。全文検索やタグ検索、QRコード出力などの機能があると、現場での参照がスムーズです。
閲覧状況の分析機能:どのマニュアルがどれくらい読まれているか、どんなキーワードで検索されているかを把握できれば、改善サイクルを回せます。作成して終わりにしないために、分析機能の有無は見落とされがちですが重要な選定基準です。
ナビゲーション(チュートリアル)機能:操作マニュアルの用途では、システム画面上に直接案内を表示するアプローチもあります。ユーザーがマニュアルを探しに行く必要がなくなるため、社内システムの定着が課題の場合は検討する価値があります。
作成したマニュアルをどの形式で出力できるかも確認しておきましょう。インターネット環境がない現場では、PDFに出力して印刷するケースもあります。Word・Excel・PowerPointなど自社で使っているツールとの互換性も含め、なるべく多くの出力形式に対応しているツールを選んでおくと安心です。
導入後に安定して運用できるかどうかは、ベンダーのサポート体制に左右されます。カスタマーサポートやFAQの充実度はもちろん、導入時のオンボーディング支援や操作レクチャーがあるかを確認しましょう。社内にマニュアル作成のノウハウがない場合は、作成代行サービスを提供しているベンダーも選択肢に入ります。
高評価のツールであっても、自社の運用に合うかは実際に使ってみないとわかりません。無料プランやトライアル期間を利用して、操作性やマニュアル完成後の見え方を確かめましょう。導入に携わる担当者だけでなく、実際にマニュアルを使う現場のメンバーにも触ってもらうことが、導入後の定着率を上げるポイントです。
マニュアル作成ツールの料金体系は、月額固定型・ユーザー課金型・買い切り型など複数あります。自社の利用人数や用途に合わせて、費用対効果を見極めましょう。
| 料金体系 | 費用相場 | 該当ツールの例 |
|---|---|---|
| 月額固定 | 5,000円〜100,000円 | NotePM、COCOMITE、VideoStep など |
| ユーザー課金 | 600円〜8,000円/人 | Zendesk、Qast など |
| 買い切り | 165,000円〜660,000円 | iTutor など |
| 無料プラン | 0円(機能制限あり) | Fullstar、Qast など |
| 初期構築型 | 350万円〜 | PMX など |
動画編集やAI自動生成など高度な機能を含むプランは月額3〜10万円を超えることもあります。まずは無料トライアルで基本機能を確認し、必要な機能を見極めてからプランを選ぶのが、コストを抑えるコツです。
業務フローや作業手順を文書化する用途に向いたツールです。テンプレートに沿って入力するだけで、フォーマットの揃ったマニュアルを作成できます。
| ツール名 | 特徴 | 料金目安 | 無料トライアル | 分析機能 |
|---|---|---|---|---|
| Teachme Biz | 画像ベースのステップ型。トレーニング配信機能も搭載 | 月額5万円〜(初期50万円) | 14日間 | ○ |
| COCOMITE | レイアウトに沿って入力。フォルダ階層とアクセス権限管理が充実 | 月額22,000円〜(初期65,000円) | 30日間 | ○ |
| ヘルプドッグマニュアル | AIがたたき台を自動生成。用語集・ノート機能でナレッジ共有にも対応 | 月額35,000円〜(初期10万円) | 14日間 | ○ |
| Dojo | 操作を自動記録して手順書化。eラーニングコンテンツの作成にも対応 | 要問い合わせ | 30日間 | − |
| PMX | 大量ページ・多言語の技術文書向き。コンテンツの一元管理と共同編集 | 初期350万円〜 | 要相談 | − |
| WikiWorks | Word感覚で操作。コメント紐付け・多フォーマット出力対応 | 要問い合わせ | あり | − |
Teachme Biz(ティーチミービズ)は、スマホやタブレットで撮影した画像・動画から、ステップ形式のマニュアルを直感的に作成できるクラウド型ツールです。作成だけでなく、トレーニング配信や閲覧分析など「活用・定着」まで支援する機能が充実しています。
COCOMITE(ココミテ)は、基本レイアウトに沿って入力するだけで、画像・動画・PDFなどを含むマニュアルを作成・管理できるサービスです。フォルダ階層の細かい整理とアクセス権限管理に対応しており、マニュアルの種類が多い企業に向いています。
ヘルプドッグマニュアルは、マニュアルの種類を入力するだけでAIがたたき台を自動生成してくれるツールです。構成をゼロから考える手間が省け、ナレッジ共有機能も充実しています。
Dojo(ドージョー)は、マニュアルにしたい作業をPC上で操作するだけで、画面キャプチャと操作内容を自動記録し、手順書を作成できるツールです。出力形式が豊富で、eラーニング教材の作成にも対応しています。
PMX(ピーエムエックス)は、ページ数の多い技術文書や取扱説明書の作成・管理に特化したクラウド型ツールです。紙マニュアルとWebマニュアルを同時に管理でき、改訂頻度の高い文書や多言語対応に強みがあります。
WikiWorks(ウィキワークス)は、Wordを使う感覚で操作でき、DTPの専門知識なしで高品質なマニュアルを作成できるプラットフォームです。制作・確認・修正をWebブラウザ上で同時に進められます。
関連記事:マニュアルテンプレートの選び方と活用法
関連記事:Wordでマニュアルを作成するコツ
PCシステムや業務アプリの操作手順をマニュアル化する用途に向いたツールです。画面キャプチャの自動取得や、画面上に直接ガイドを表示する機能を備えています。
| ツール名 | 特徴 | 料金目安 | 無料 | ナビゲーション機能 |
|---|---|---|---|---|
| Fullstar | 画面上に直接ガイドを表示するDAP型。ノーコードで設定可能 | 無料〜 | フリープランあり | ○ |
| iTutor | 操作を録画して自動でマニュアル生成。多形式で出力可能 | 165,000円〜 | 21日間トライアル | − |
| ManuaLive | PDFをWebマニュアル化。フィードバック収集と利用状況分析 | 初期10万円〜 | デモあり | − |
Fullstar(フルスタ)は、システムの操作画面上にチュートリアルやツールチップを直接表示し、ユーザーが操作しながら使い方を覚えられる「ナビゲーション型」の操作マニュアルツール(DAP)です。マニュアルを読みに行く必要がなくなるため、社内システムの定着や問い合わせ削減に向いています。
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iTutor(アイチューター)は、マニュアルにしたい操作を実際にPC上で行うだけで、画面キャプチャと操作説明を自動生成できるソフトです。PowerPoint感覚で編集でき、多形式での出力やeラーニング教材の作成にも対応しています。
ManuaLive(マニュアライブ)は、既存のPDFファイルをWebマニュアルに変換して一元管理できるツールです。タブレットに最適化されたレスポンシブデザインで、フィードバック収集と利用状況分析機能を備えています。
近年、操作マニュアルの領域では「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」と呼ばれるツールの普及が進んでいます。従来のマニュアル(PDF・HTML形式)はユーザーが自ら検索して参照する必要がありましたが、DAP型はシステム画面上に直接ガイドを表示するため、「マニュアルを探す」という行為自体が不要になります。体系的な手順書はPDF型で整備しつつ、日常操作の定着にはDAP型を組み合わせる、という使い分けが広がっています。
関連記事:DAPツール比較
飲食・介護・製造など、文章だけでは伝えにくい動作やノウハウを映像で共有する用途に向いたツールです。スマホで撮影した動画をそのままマニュアル化できるものが主流で、専門的な動画編集スキルは不要です。
| ツール名 | 特徴 | 料金目安 | 自動字幕 | 多言語対応 |
|---|---|---|---|---|
| tebiki | スマホ撮影→字幕自動生成→100カ国語翻訳。習熟度管理にも対応 | 要問い合わせ | ○ | ○(100カ国語以上) |
| Clip Line | 多店舗の教育を動画で標準化。双方向コミュニケーション機能 | 要問い合わせ | − | − |
| soeasy buddy | 動画共有+社内SNS。コメント機能で現場コミュニケーション活性化 | 月額35,000円〜 | ○ | ○(5カ国語) |
| VideoStep | PowerPoint感覚の編集。AI文字起こしと多言語翻訳対応 | 月額5万円〜 | ○ | ○ |
tebiki(テビキ)は、現場でのOJTをスマホで撮影するだけで、字幕の自動生成と100カ国語以上の翻訳まで完結する動画マニュアルツールです。動画編集の経験がないスタッフでも手軽に作成できます。
Clip Line(クリップライン)は、多店舗ビジネス向けの動画共有コミュニケーションツールです。全スタッフに動画での双方向やりとり環境を提供し、口頭伝達で起きがちな伝言ゲームを防ぎます。
soeasy buddy(ソーイージーバディ)は、スマホで撮影した短時間の動画を投稿するだけで字幕付きマニュアルが完成するツールです。社内SNS機能も備え、ナレッジ蓄積と現場コミュニケーションの活性化を両立できます。
VideoStep(ビデオステップ)は、スマホやPCで撮影した動画をPowerPoint感覚で編集し、共有・分析まで行える動画マニュアルプラットフォームです。承認ワークフローやバージョン管理など、品質管理体制の構築にも対応しています。
動画マニュアルは現場教育の質を高める有力な手段ですが、「動画を作ること」が目的化しないよう注意が必要です。凝った編集よりも、「更新しやすい」「必要なシーンにすぐたどり着ける」といった実用面を重視してツールを選ぶほうが、運用が長続きします。
体系的なマニュアルの作成まではいかなくても、社内に散在する情報やノウハウを集約して共有したい場合に適したツールです。社内Wikiやfaq形式で手軽にナレッジを蓄積でき、検索機能で必要な情報をすぐに引き出せます。
| ツール名 | 特徴 | 料金目安 | 検索機能 | 外部ツール連携 |
|---|---|---|---|---|
| Zendesk | 検索性の高いナレッジベース。FAQやマニュアルの社外公開にも対応 | 月額約8,000円/人〜 | ◎(サジェスト・カテゴリ) | ○(Slack等) |
| NotePM | 社内Wiki型。全文検索とシンプルなUIで情報共有を定着しやすい | 月額4,800円〜 | ◎(全文検索・ファイル内検索) | ○(Slack・Teams等) |
| KnowledgeSh@re | Word取り込み可能。対話機能とコメント共有で現場の声を反映 | 月額10万円〜 | ○(全文検索) | − |
| Qast | Q&A形式の社内知恵袋。匿名投稿でハードルを下げる工夫 | 月額600円/人〜 | ○(PDF内文字列検索対応) | ○(Slack・Teams) |
Zendesk(ゼンデスク)は、検索性の高いナレッジベースを構築できるクラウド型ヘルプデスクソフトウェアです。社内向けのマニュアル基盤としても、社外向けのFAQサイトとしても利用できます。
NotePM(ノートピーエム)は、マニュアル・日報・議事録などを手軽に作成・共有できるナレッジ管理ツールです。添付ファイル内の文字列まで含めた全文検索が可能で、蓄積した情報を確実に引き出せます。
KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)は、Wordで作成済みのマニュアルをそのまま取り込める点が特徴のマニュアル作成・共有プラットフォームです。既存資産を活かしながらオンラインマニュアルへ移行できます。
Qast(キャスト)は、Q&A形式で質問と回答を蓄積していく「社内の知恵袋」です。匿名投稿で質問のハードルを下げ、SlackやTeamsのメッセージもナレッジとして自動蓄積できます。
関連記事:FAQ作成の方法と効率化ツール
関連記事:社内FAQシステム比較
サイトエンジン社が218社を対象に実施した調査(2023年)によると、94%の企業がマニュアルに何らかの悩みを抱えており、74%が「十分に活用されていない」と感じているという結果が出ています。
マニュアルは作成すること自体がゴールではありません。「どこにあるか分からない」「情報が古いまま更新されていない」「そもそもマニュアルを見る習慣がない」といった理由で、現場に定着しないケースが少なくありません。ツール選定の際は、作成機能だけでなく、閲覧率の分析、検索性、フィードバック導線、更新のしやすさなど「使われるための仕組み」が備わっているかを確認しましょう。
テンプレートの数が多いことは安心材料になりますが、重要なのは「自社の業務に合ったテンプレートがあるかどうか」です。実際にトライアル期間中に、自社の業務フローに沿ったマニュアルを1つ完成させてみてください。操作性、完成物の見え方、更新のしやすさを具体的に確認できます。導入を検討している担当者だけでなく、実際にマニュアルを参照する現場メンバーにも触ってもらうことが、導入後の定着率を左右します。
クラウドサーカスが2024年12月に情報システム部門の担当者300名を対象に実施した調査では、社内からのIT問い合わせの約6割が基本的な操作に関する内容であり、55%以上が「操作に迷わせないツール」によるサポートを求めていることがわかりました。
操作マニュアルの形式は1つではありません。PDF型、FAQ型、ナビゲーション(DAP)型にはそれぞれ得意な領域があります。自社の課題に合わせて選択、または組み合わせて活用するのが効果的です。
| 観点 | PDF/HTML型 | FAQ/検索型 | ナビゲーション(DAP)型 |
|---|---|---|---|
| 概要 | 画面キャプチャ付きの手順書を文書化 | 質問と回答をDB化し検索で引き当てる | システム画面上に直接ガイドを表示 |
| 情報の探しやすさ | △ 目次・検索に依存 | ○ キーワード検索で到達 | ◎ 操作中に自動表示 |
| 更新コスト | △ 画面変更のたびにキャプチャ差替え | ○ テキスト修正で対応可 | ○ ガイド設定の変更のみ |
| 定着のしやすさ | △ 自分で読みに行く必要あり | △ 検索する行動が必要 | ◎ 操作中に自動で案内 |
| 向いている場面 | 体系的な操作手順の文書化 | よくある質問の集約・自己解決 | 日常的なシステム操作の定着 |
実際の現場では、体系的な手順書はPDF型で整備し、日常操作の定着にはDAP型を併用する、というケースが増えています。自社の課題が「マニュアルがそもそも読まれない」にある場合は、ナビゲーション型の導入を検討する価値があります。
関連記事:システム定着の課題と解決策
関連記事:マニュアルが難しい・作れないときの解決策
関連記事:マニュアルのデザインのコツ
Google ドキュメント/Google スプレッドシート は、Googleが提供している文書制作ツール/表計算ツールです。ソフトウェアのようにダウンロードやインストールの必要はなく、無料のGoogleアカウントさえあればブラウザ上で利用できます。クラウド上でファイルを管理するため、ファイルの共有はもちろん共同作業も可能です。改定が多い場合でも、効率的にマニュアルの作成をすすめられます。
社内でマニュアルを作成する場合はテンプレートを登録しておくとよいでしょう。費用をかけず社内で手始めにマニュアルを作成してみるのにおすすめのツールです。
無料アカウントで利用可能。
Microsoft 365(旧Office 365)のExcel/Word/OneNote は、クラウド型officeとして提供されているサブスクリプションサービスです。ソフトウェアがインストールされている端末であればインターネット環境がなくても利用でき、簡易的なマニュアルであればすぐに作成できます。圧倒的なシェア数があるため、ネットで検索すればテンプレートが豊富に用意されているのもメリットです。Excelは表計算ソフトで、マニュアル作成において表や数値を挿入する際利用すると効率的です。マニュアル作成のメインツールとなるのは、文書作成ソフトのWordで、ページ単位で作成できるため、マニュアルを印刷して利用する場合などによいでしょう。
OneNoteは、デジタルノートと呼ばれ、ノートや手帳感覚でテキスト入力ができるアプリです。個人利用であれば無料で利用できる上、複数人での共有も可能なので、クラウド上でのマニュアル利用を考えているならぜひ一度試してみてください。
法人では1ユーザーあたり月額650円〜のプラン。
参考:パワーポイントでマニュアルを作成するコツは?伝わるマニュアル作成術
Dropbox Paper は、Dropbox社が提供する、無料でつかえる文書作成ツールです。作成した文書はDropbox上に保存されるため、共同編集・マルチデバイスからのアクセスが可能です。目次の自動生成や、表の挿入などもできる他、挿入した画像に注釈を入れられたりとマニュアル作成に役立つ多くの機能をそなえています。ファイルのリンクURLを送れば共有可能で、誰が編集したかも一目瞭然なので、共同作業にも最適です。
アカウントがあれば無料で利用可。
OSS(オープンソース・ソフトウェア)は、プログラムソースが公開されており、ほとんどの場合カスタマイズ可能、無償で利用できるソフトウェアです。社内に開発技術や知識をもつ人員がいる場合は、OSSを使ってナレッジ共有を行うのもひとつの手です。一例をご紹介します。
データベースを必要としないオープンソースのWikiツール「DokuWiki(ドクウィキ)」は、無料で利用可能、50以上の言語に対応しているのも特徴です。ナレッジベース「Outline(アウトライン)」は、かんたんに社内でWikiのようなページを作成でき、WYSIWYGを使用してビジュアル的に編集できるのが特徴です。情報共有ソフトウェア「Crowi(クロウウィ)」は、Wikiのようにページを作成でき、SNSのようないいね機能も搭載されています。「GROWI.cloud(グロウィクラウド)」はMarkdownで記述できる情報共有ソフトウェアで、BootstrapによるHTML記述によってこだわったレイアウトも可能に。「PukiWiki(プキウィキ)」は、自由にページを編集できる、オープンソースのWikiツールで、プラグインで機能の拡張が可能です。
Q. マニュアル作成ツールを比較する際、最も重視すべき基準は何ですか?
自社の導入目的との合致が最優先です。業務フローの文書化、操作画面の定着、現場の動画教育、ナレッジの集約など、目的によって適したツールのタイプが異なります。目的を先に絞ることで、比較すべき製品が3〜4つに絞れます。
Q. 無料のツールやOfficeソフトでも十分なマニュアルは作れますか?
簡易的なマニュアルであれば、GoogleドキュメントやWordでも作成可能です。ただし、作成者によるフォーマットのばらつきや更新管理の手間が課題になりやすく、マニュアルの数が増えてくると専用ツールのほうが運用効率は上がります。
Q. 動画マニュアルを導入するメリットは何ですか?
テキストだけでは伝わりにくい動作やニュアンスを、視覚と聴覚の両面で伝えられる点が最大のメリットです。飲食・介護・製造など動作を伴う現場教育や、外国人スタッフへの多言語教育で特に効果を発揮します。
Q. 作成したマニュアルが社内で活用されない場合、どうすればよいですか?
まず閲覧率や検索キーワードを分析し、「マニュアルが見つからない」のか「内容が合っていない」のかを切り分けることが第一歩です。その上で、検索機能の強化、QRコードによる現場掲示、ナビゲーション機能による自動表示など、利用者の行動導線に合わせた改善を行いましょう。
Q. 操作マニュアルの問い合わせを減らすには、どのタイプのツールが効果的ですか?
操作画面上に直接ガイドを表示するナビゲーション(DAP)型が、問い合わせ削減に対して直接的な効果を持ちます。マニュアルを「探す→読む→操作する」というステップを「操作しながら案内される」に短縮できるため、基本的な操作に関する問い合わせの削減につながります。
マニュアル作成ツールは、目的によって最適なタイプが異なります。まず自社が「業務手順書」「操作マニュアル」「動画マニュアル」「ナレッジ蓄積」のどれを必要としているかを整理し、本記事の比較表から候補を絞り込んでみてください。気になるツールがあれば、無料トライアルを利用して、実際の業務に沿ったマニュアルを1つ作成してみるのが、最も確実な選定方法です。
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