カスタマーサポートとは、既存顧客からの問い合わせに対応する業務のことです。カスタマーサポートは、顧客と企業をつなぐ「企業の顔」ともいえる存在。対応によって顧客の満足度や企業イメージが左右されます。製品・サービスを提供している会社において重要な部署です。
そこで今回はカスタマーサポートについて、その役割や求められる能力、カスタマーサクセスとの違い、効率化させるツールなどをまとめてご紹介します。
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カスタマーサポートとは、カスタマー(既存顧客)からのお問い合わせに対応する業務、あるいはその組織・部署のことを指します。カスタマーサポートは、製品・サービスにまつわる問題や質問を顧客から受け、電話やメール、チャットなどで問題解決に向けた手助けをします。 「カスタマーサービス」「お客様相談窓口」「サポートセンター」と呼ばれることもあり、専用のコンタクトセンターを設置している企業も多く見られます。
カスタマーサポートの業務内容は多岐にわたります。ここからは、代表的な3つの業務について解説していきます。
1つ目の業務は、顧客からの問い合わせに対応することです。製品・サービスに対する基本的な質問やクレーム、故障についてなどあらゆる問題を解決へと導きます。
たとえば、「冷凍室の食材が凍らない」という問い合わせがあった場合は、状況確認・解決策の提案をした後、改善しない場合は点検業者を手配します。このように自社の製品を顧客が安心して使えるようにフォローアップすることがメインの業務です。
しかし、顧客対応の需要が増える一方で、十分な人手を確保できず、対応に追われる企業も目立ってきました。限られたリソースで個別対応を続けるには限界があり、現場の負担軽減が急務とされています。そこで最近では「デジタルガイド・ヘルプデスク」の整備が進んでいます。FAQページの充実やチャットボットの導入など、顧客が自己解決できる手段を提供する企業が増えています。
具体的な事例として、SaaS型の高齢者見守りシステムを提供するエコナビスタ株式会社では、導入施設の増加にともない、問い合わせ対応の負担が大きな課題となっていました。
同社はCSツール「Fullstar(フルスタ)」を導入し、システム上に操作ガイドやナビゲーションを表示する仕組みを整備。ユーザー自身が必要な情報にアクセスして問題を解決できるようになった結果、定型的な問い合わせが約10%減少し、オンボーディングの工数も3分の1まで削減されました。
▼実際のシステム画面上のサポートガイド
顧客対応の現場では、限られた人員で質を維持することが求められています。その中で、セルフヘルプの仕組みは、顧客と企業の双方にとって有効な手段として定着しつつあります。
参考:エコナビスタ様事例
2つ目は、寄せられた問い合わせを顧客ごとに管理することです。氏名・住所・電話番号などの基本情報とあわせて、購入履歴や問い合わせ内容、オペレーターとのやりとりをまとめておきます。
「対応中」「対応済」のようにステータス分けして状況を見える化しておけば、対応が重複することもありません。ツールを活用して一元管理できれば、問い合わせ状況が可視化でき、担当者不在でもほかのオペレーターが対応可能になります。
3つ目は、問い合わせの多い質問をまとめて、よくある質問などのFAQやマニュアルサイトを作成することです。FAQをマニュアルサイトやWebサイト上で公開すれば、顧客は自身で問題解決でき、電話やメールで問い合わせるよりはるかに利便性がよくなります。問題がすぐに解消するので、満足度向上にもつながるでしょう。
また、問い合わせ件数も減らせるので、カスタマーサポートの負担も軽減。業務の効率化が図れます。
カスタマーサポートにはどのようなミッションがあるのでしょうか。ここからは重要性とその役割についてご紹介します。
カスタマーサポートは、顧客の期待に応えることが大きなミッションです。そのためには顧客からの問い合わせにすばやく、正確に対応しなければなりません。回答が早いほど「迅速に対応してくれた」と顧客満足度が高まるからです。顧客の課題に共感し、ニーズを的確に判断して解決策を提案します。
とくに、SNSを好む若年層ほどスピーディな対応を求めます。すぐに回答できないときは、「お問い合わせを受け付けました」などの自動返信を設定しておくのもひとつの手段です。
また、どのオペレーターが対応してもクオリティが一定になるよう、メール内容をテンプレート化したり、対応フローを見直したり、サポート環境を整えておきましょう。優れたカスタマーサポートとして認識されれば、企業に対する信頼度の向上が期待できます。
カスタマーサポートの仕事は問い合わせ対応だけではありません。自社製品に対する疑問や苦情など、自分が受けた顧客の声を社内共有し、今後のサービスにつなげることも大切な役割です。顧客のニーズを商品ごとにまとめれば、課題や改善点が浮かび上がります。
たとえば「初期設定の仕方がわからない」という意見が多く寄せられたら、基本操作のレクチャーが不足しているのかもしれません。その場合は、使いはじめをサポートするオンボーディングの強化を打ち出しましょう。このように顧客の声を集めることで、社内では見えにくい改善策が見つかります。
カスタマーサポートの対応で会社の印象は大きく変化します。最近では、SNSの普及により、サービスの評価が口コミで広がりやすくなりました。トラブルが発生しても、すばやい対応で好印象に転じれば、Twitterやレビューなどで拡散されて企業のイメージアップになります。
反対に、SNSなどでの低評価は、あっという間に企業の評判を落としてしまうので要注意です。とくに、クレームは対応の仕方によって炎上につながる危険性も。自社製品に不具合があった場合は、すぐに謝罪をして解決策を提示し、顧客の不満解消に努めましょう。
カスタマーサポートの対応で、顧客が「このサービスにしてよかった」と実感してもらえれば、製品・サービスの継続利用が期待できます。
たとえば、購入商品が壊れていた場合でも、すぐに新しい商品を手配・発送してもらえれば「この会社ならすぐに対応してくれる」という信頼感が生まれ、リピーターになってくれるかもしれません。
とくに定額制のサブスクリプションの場合、継続利用が企業の売上に直結します。カスタマーサポートの対応で、サービスのファンになってくれれば、長期契約が期待でき、LTV(顧客生涯価値)の最大化、ひいては企業の売上拡大につながるでしょう。
「カスタマーサクセス」「テクニカルサポート」など、世の中にはカスタマーサポートに似ている業種や用語がたくさんあります。ここからは似ているワードや類似している職種との違いについてご説明してきます。
最近よく聞く「カスタマーサクセス」という部門。名称は似ていますが、その役割は大きく違います。まずは「カスタマーサクセス」との違いから解説していきます。
カスタマーサクセスとは、顧客の導入目的を達成するために支援すること、あるいはその部署をいいます。顧客は、ある課題を解決するためにサービスを導入します。その顧客を積極的にフォローアップし、成功まで導いていくのがカスタマーサクセスの大きな役割です。
たとえば、ある顧客が「Webサイトを使って集客を増やしたい」という目的で、デジタルツールを導入したとします。しかし、すべてが順調に進むわけではありません。サイト作成に苦労したり、思うように成果が出ないこともあるでしょう。そこでカスタマーサクセスが、起こりうる課題を予測し、さまざまな提案をしながら目標達成へと導きます。このように、顧客の成功まで企業側から能動的にアプローチするのがカスタマーサクセスです。
カスタマーサポートとカスタマーサクセスとの一番の違いは「顧客への姿勢」です。カスタマーサポートは、故障やトラブルのときなど、顧客からの問い合わせを受けて対応します。
一方、カスタマーサクセスは、顧客の目標達成する過程で起こりうる課題を予測して、問題が発生する前に企業側からアプローチします。
つまり、カスタマーサポートは顧客からのアクションを待つ「受動的」な姿勢、カスタマーサクセスは積極的に働きかける「能動的」な姿勢という点が大きな違いです。
また、顧客との関わり方も大きく変わります。カスタマーサポートは問い合わせを受けたときの「一時的な接点」、カスタマーサクセスは、顧客の目標達成に向けてフォローするため「継続的な接点」になります。
カスタマーサクセスは、その継続的なコミュニケーションを利用して、解約防止に努めたり、ワンランク上の商品を提案したり、売上につながる役割も担うためセールス部門に属することも。そのため行動指標となるKPI(重要業績評価指標)も大きく異なります。
具体的な違いについては以下のとおりです。
カスタマーサクセス | カスタマーサポート | |
---|---|---|
顧客への姿勢 | 能動的/先回り型 | 受動的/要望対応型 |
KPI | オンボーディング完了率、NRR(売上継続率)、解約率など | 初回応答時間、回答率、処理時間、顧客満足度など |
ゴール | LTV(顧客生涯価値) | 顧客満足度の向上など |
顧客との関わり方 | 継続的 | 一時的 |
関連部門 | マーケティング、インサイドセールス、営業、サポート、開発など複数部門 | カスタマーサクセス、開発部門 |
事業 | 日本では主にBtoB向けSaaSビジネス | BtoC、BtoB関わらず、ほぼすべての企業に存在している |
ヘルプデスクとは、一般的にハードウェアやソフトウェアなど、ITに関する基本的な操作や修理の手配などを行う職種です。「ログインできない」といった初歩的な内容から、「システム障害が発生した」という複雑なトラブルにまで対応するため、カスタマーサポートより専門的な知識が求められます。
また、ヘルプデスクは顧客に対応する社外向けと、社員に対応する社内向けの2つの設置パターンがあります。
社外向けのヘルプデスクでは、取引先や新規顧客からの問い合わせ窓口を担当。クレーム対応や営業サポートといった業務が中心となります。
社内向けのヘルプデスクでは、社員のPC操作やネットワーク管理などがメインとなり、情報システム部と連携して行う企業も多いです。
テクニカルサポートは「ヘルプデスク」同様、IT関連の製品・サービスにまつわる問い合わせに対応します。「ヘルプデスク」が一次対応し、応えきれないトラブルを「テクニカルサポート」が解決へ導くといったケースが主流です。業務は、故障や不具合にまつわる対応が中心のため、カスタマーサポート、ヘルプデスクと比べると最も高い専門性が求められるでしょう。
サポート対象は、個人消費者、企業のクライアントのほか、社内SEに対応する場合もあるため技術的な知識も必要です。場合によってはシステム障害に対処するため、現地に足を運んでサポートするケースもあります。
コールセンターとは、顧客からの問い合わせに電話対応する部署のことです。製品・サービスの申込みやクレーム、故障についてなど幅広い問い合わせを受け付けます。
カスタマーサポートの対象は「既存顧客」ですが、コールセンターの対象は購入を検討している「見込み顧客」、申込み受付をする「新規顧客」などさまざまです。
コールセンター業務は「インバウンド」と「アウトバウンド」の2つに大きく分けられます。 インバウンドとは、消費者からの電話に対応する受け身的な業務のことです。申込みや質問、商品に関する問い合わせ対応がメインとなります。 アウトバウンドとは、企業から電話をかける能動的な業務のこと。キャンペーンに合わせて見込み客にアプローチを行う「テレアポ」のような活動です。
カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせを待つ受動的な活動ですが、コールセンターは発信業務と両方を行います。
テレフォンオペレーターは、主に新規顧客が対象です。既存顧客がメインのカスタマーサポートとは「サポート対象」が異なります。
申込み受付、サービス加入の問い合わせのほか、追加サービスを提案したり、サービス担当者や部署への取次をしたりすることが一般的な業務です。企業によっては、カスタマーサポートやヘルプデスクを含めて「テレフォンオペレーター」と呼ぶ場合もあります。
カスタマーサポートと類似する職種についてご紹介してきました。ただし、業務の棲み分けは企業によって異なります。すべての顧客窓口を「コールセンター」と包括している企業もあります。以下の通り、一般的な業務についてまとめましたので、参考程度にご覧ください。
主な業務 | サポート対象 | 対応チャネル | |
---|---|---|---|
カスタマーサポート | 自社製品・サービスにまつわる質問や問題、課題、トラブルなど、あらゆる既存顧客の問い合わせを解決 | 既存顧客 | 電話、メール、チャットなど |
ヘルプデスク | ・ITに関する基本的な操作や修理の手配など幅広い内容をサポート ・顧客対応だけでなく、社内スタッフのPC操作やネットワーク管理に対応する場合も |
IT関連の顧客・社内スタッフ | 電話、メール、チャットなど |
テクニカルサポート | ・IT関連の製品やサービスにまつわる専門性の高い問い合わせに対応 ・故障やサービスの不具合への対応など技術的な問題を解決 |
IT関連の顧客 | 電話、メール、チャットなど |
コールセンター | ・申込みやクレームなど幅広い問い合わせに対応 ・「インバウンド」と「アウトバウンド」の2種類の業務を担当 |
新規顧客、 見込み顧客、 既存顧客 |
一般的には電話対応のみ |
テレフォンオペレーター | 申込み受付やサービス加入の問い合わせ、担当への取次、追加サービスの提案など | 新規顧客 | 一般的には電話対応のみ |
カスタマーサポートの品質向上に欠かせないのがKPIの設定です。KPIとは、重要業績評価指標のこと。KGI(重要目標達成指標)という「最終目標」を達成するための指標です。
設定のポイントは、目標を数値化することです。カスタマーサポートの成果は評価しにくいものですが、数値化すればどのくらい目標達成しているのかがわかります。
設定数値は、チームやメンバーのレベルによって変わるので、自社にあわせた目標を決めていきましょう。 ここからは、よく設定されるKPIについてご紹介します。
FCR(First Contact Resolution)とは、カスタマーサポートが1回のやりとりで解決できた問い合わせの割合です。一次解決率あるいは初回電話解決率(one-touch resolution)とも呼ばれます。
電話なら1回の会話、メールなら1度の返信で解決できた割合のことをいいます。1度の対応で問題が解決できず、折り返しや他の部署へ転送した場合はカウントされません。
FCRの計算方法は「1回の対応で解決した問い合わせ数」を「同じ期間の問い合わせ総数」で割ります。
初回対応で解決できれば、他のスタッフを巻き込むこともありません。何度もコールバックする時間や手間も削減できるでしょう。
1度でなかなか解決できず、FCRが低い場合は体制の見直しが必要です。マニュアルどおりの対応になっているかもしれません。柔軟性をもって回答できるよう、担当者のスキル向上を目指しましょう。
顧客満足度とは、購入した製品やサービス、企業などに対してどのくらい満足しているかを測る指数のこと。事業を成功させるには、顧客の満足度をキープして、継続利用を促すことが重要です。カスタマーサポートの対応で、顧客の満足度を向上できれば、繰り返しサービスを利用してくれるようになります。
顧客満足度を計測するには、アンケートやデジタルツールの活用が有効です。サイトで「当社のサービスに満足しましたか?」といった表示を見た人も多いのではないでしょうか。Webサイト上に専用フォームを作成したり、カスタマーサポートの対話後にアンケートをお願いしたり、さまざまな手法があります。
自己解決率とは、チャットボットやよくある質問(FAQ)などを利用して、顧客自身で問題解決した割合です。自己解決率を高めると、問い合わせ数の減少、カスタマーサポートの負担軽減が期待できます。また、いつでも問題解決できるため顧客満足度の向上にも効果があるでしょう。
自己解決率が低い場合は、FAQの見直しをおすすめします。誰が読んでもわかるような質問内容と回答にすることが大切です。似たようなタイトルばかりでは、求める回答までたどりつけません。内容の差別化をしつつ、読むだけで質問の内容が理解できる端的なタイトルを作成しましょう。
カスタマーサポートは、顧客の問い合わせを解決することが大きな役割です。そのため、どの程度問題を解決できたかを示す「解決率」は、カスタマーサポートにとって重要な指標のひとつといえます。算出方法は「解決率=解決数÷問い合わせ数」です。できるかぎり100%の解決率を目指しましょう。
「一日の対応件数」は、多い方がよいと思われがちですが、多すぎるとオペレーターの負担が大きくなってしまいます。顧客対応ばかりでは、管理業務が滞ったり、業務品質の低下につながります。バランスを確認しながら、自社に適した割合を調整しましょう。
平均対応速度とは、電話がオペレーターにつながるまでの待ち時間の平均です。ASA(Average Speed of Answer)とも呼ばれ、一般的な平均速度は約20秒といわれています。算出方法は「平均対応速度=待ち時間の合計÷着信数」です。
一方、応答率は問い合わせ数に対して、担当者が応対できた件数の割合のことです。「応答率=応答件数÷着信数×100」で算出できます。
平均対応速度が遅く、電話がつながりにくい状況は企業への不信感にもつながります。待たされている時間が長いと問い合わせをあきらめてしまうかもしれません。顧客満足度を低下させないためにも、早めの対応を心がけましょう。
CSのKPI設計/指標は? 効果高い施策は? を調べている方へ
2025年のカスタマーサクセスのトレンドから、解約率などのKPI・効果があった施策・ツールでの生産性向上など、CS担当200名に行ったアンケート結果も掲載。ちょっと気になる「他社の動き」を見てみませんか?
詳細を見てみるカスタマーサポートは、顧客と向き合う時間が多く、担当者しかわからない情報が増えてしまう傾向にあります。属人化してしまうとほかのオペレーターでは対応できず、業務が滞ってしまうので要注意です。業務効率をアップするためにも、以下の4つのポイントを実践して属人化を防ぎましょう。
顧客対応に追われると、なかなかオペレーター同士でコミュニケーションを取ることが難しくなります。しかし、スキル向上のためにはチーム内での情報共有は必須。知識や情報、ノウハウをスムーズに蓄積できるシステムづくりを進めましょう。
ZoomやSlackなどコミュニケーションツールを導入したり、優れたオペレーターの対応をマニュアル化するなど、ナレッジを貯める方法はたくさんあります。率先役を決めてナレッジマネジメントを担当してもらうとスムーズに体制が整うでしょう。
新しい製品の操作方法、不具合の解消法を知るために、定期的な勉強会を行うことも大切です。新たな情報は、カスタマーサポート全体の知識水準を一定にするためにも、勉強会形式で伝達しましょう。個人がその都度確認するのは効率的ではありません。
勉強会は、営業や開発、企画担当者など他部署と協力体制ができると品質向上につながります。できる限り多くの部署と連携できるようにしましょう。
よくある質問は、マニュアル化してすぐに回答できるように共有しましょう。そうすれば、誰が対応してもサービスの水準が低下することはありません。業務の効率化、スキル向上を目指すためにも、個人が持っている知識や経験は積極的にチーム内で共有しておくことが大切です。
FAQサイトを作成すると、基本的な情報は顧客自身で解決できるため、カスタマーサポートの利用減少が期待できます。オペレーターに余裕ができれば、情報共有もしやすくなり属人化も防げるでしょう。
さらに電話やメールだけでなく、チャットボットなどのデジタルツールを活用すれば、より問い合わせ数が削減できます。チャットボットなら、顧客の好きなタイミングで問い合わせできるので、ストレス軽減にもつながります。
カスタマーサポートへの問い合わせは多岐にわたります。そのため、なかなかマニュアルどおりの対応はできません。顧客に合わせたサポートが必要です。
対応をマニュアル化することはできませんが、プロセスやサポート体制を整えることは必要です。オペレーターの研修を継続的に行い、人材への投資を繰り返すことで顧客ファーストの対応が実現できます。
顧客が希望したツールでやりとりできるよう、さまざまなチャネルを用意することもひとつの手段です。電話ではなく、SNSで対話したい若年層も増えています。メールで問い合わせを受けた顧客でも、電話の方がスムーズに進みそうな場合には、時間を見つけて電話をかけてみるのもいいかもしれません。
大切なのは、顧客を中心として考えることです。顧客の話に共感し、柔軟性をもった対応ができるようサポート育成を強化しましょう。
「(2)顧客に合わせたサポート」を行うためにも、顧客の課題、問題点などあらゆる情報をチーム全体で共有しておくことが大切です。
顧客情報を共有できれば、どのオペレーターでも質の高いサポートが提供できます。しかし、共有がスムーズにいかず、「担当者によって対応が違う」と顧客に感じられてしまうと、企業への信頼度が低下する可能性もあります。
情報共有が簡単に行えるよう、仕組み化しておくとよいでしょう。顧客情報管理システムやコミュニケーションシステムなど、デジタルツールの利用もひとつの手段です。効率的に漏れなく管理できる便利なツールがたくさんリリースされていますので、チェックしてみてください。
カスタマーサポートの業務を向上させるには、他部署との連携が欠かせません。開発・企画担当者と情報共有できていれば、新しい機能の質問にもスムーズな対応ができます。
反対に、連携が取れていないと商品担当者への確認ばかりが増えてしまい、顧客を待たせることになるので注意しましょう。
そのためには、他部署との連携を図る橋渡し役を決めると効率的です。顧客の意見を集約して製品チームに報告したり、新機能の情報をサポート内に知らせたり、システム化しておけば円滑に社内共有できるでしょう。
他部署と連携し業務効率を高めるなら、ノーコードでデジタルガイドを作成できる「Fullstar(フルスタ)」の導入がおすすめです。操作ガイドやナビゲーションをシステムの画面上に配置し、リアルタイムで入力補助やマニュアルサイトへのリンクを表示することが可能です。マニュアルサイトの閲覧率の改善や社内問い合わせ件数の削減が見込めます。
詳しい方法や事例などはFullstarの概要資料をご覧ください。
>大手企業も導入する「Fullstar(フルスタ)」の概要を見る
カスタマーサポートを行ううえで、製品知識と同じくらい必要となるのが「高い接客スキル」です。カスタマーサポートにはどのような人材が適しているのでしょうか。ここからは、求められる能力について解説していきます。
まず挙げられるのがコミュニケーション能力です。カスタマーサポートは、こちらの意図を正確に伝えなければなりません。「5,000円の料金追加」という説明が、「5,000円の料金割引」と伝わってしまっては大きな問題になってしまいます。丁寧でポジティブな言葉を使い、顧客の満足を確認してから会話を終わらせることが大切です。
また顧客の中には、「説明が苦手な人」や「とてもおしゃべりな人」などいろいろな性格の人がいます。どのような顧客に対しても同じサポートができるよう、ヒアリング能力も必要となるでしょう。
カスタマーサポートにとって、理解力・提案力も必須スキルです。顧客の問い合わせ内容から、課題感や成し遂げたい本質を理解して、新たな提案をすることが求められます。
たとえば、操作方法についてお問い合わせがあったとき、単に説明するだけでなく「このように活用をするとより成果が出ます」など、企業側から積極的に提案できれば、顧客は期待以上の成果を感じてくれるかもしれません。常に顧客目線に立って、対応を考えられるとベストでしょう。
コミュニケーション能力や提案力など、必要なスキルはたくさんありますが、これらは業務をこなしていくうちに次第に身につく能力でもあります。まだ能力的に自信がない人は、製品・サービスの専門的知識を高めることからはじめましょう。
しっかり自社製品の知識が身についている人は、多少能力に不安を感じても、顧客の問題をすばやく解決へと導きます。能力を高めるには時間がかかりますが、製品知識は学べばすぐ身につきます。まずは知識を高めて業務品質の向上を図りましょう。
常にカスタマーサポートは、顧客に合わせた対応が求められます。「購入した商品が壊れていた」という問い合わせを受けて、マニュアル的な反応をしていては顧客にネガティブな印象を与えてしまいます。反対に、迅速な誠意ある対応ができれば、顧客はトラブルがあっても継続して製品・サービスを利用してくれるでしょう。
大切なのは、顧客の気持ちに寄り添った柔軟性のある対応です。クレームに対しても、顧客の不満はどうすれば解決できるのかを考えて、すばやく行動できる対応力が求められます。
チャットボットやAIなど、カスタマーサポート業務を補うデジタルツールが数多く登場しています。しかし、一方では人材不足も深刻化しています。今後カスタマーサポートの未来はどうなっていくのでしょうか。
通信環境の整備やスマートフォンの普及で、カスタマーサポート業務は、電話からメールなどのインターネット経由へと移行しました。いまではチャットボットを導入する企業も増えています。今後は人工知能であるAIが台頭し、カスタマーサポート業務が減少するともいわれています。
例えば、株式会社北豊島園自動車学校では、AIチャットボット『IZANAI Powered by OpenAI』を導入し、月300件あった電話の問い合わせが約半数に削減されました。料金体系や予約システムに関する定型質問への回答を自動化することで、事務スタッフの業務負担を軽減し、対面でのコミュニケーションに集中できる環境を整えています。また、対応の迅速化により、顧客満足度の向上にもつながっています。
参考:月300件の問い合わせを半分に!AIチャットボットで実現した接客に専念できる環境づくり|株式会社北豊島園自動車学校様
しかし、すべての業務がAI化するとは限りません。問い合わせは複雑な問題が多く、すべてをマニュアル化することはできないからです。人間でしか対応できないトラブルは、まだまだたくさんあるでしょう。
また、顧客の気持ちに寄り添う「おもいやりのあるサポート」は、顧客にとって重要な体験価値となります。顧客の成功体験を生み出すためには、システマチックなAIだけではなく、柔軟性のあるオペレーターの対応が必要です。
とはいえ、少子化が続く現代において人手不足は深刻な状況ですが、将来的にAIが普及し、性能が向上する可能性も否定できません。それによる人員削減や時間短縮なども考えられます。カスタマーサポートの不透明な将来に備えて、いまできることは何でしょうか。
まず考えられるのは、人間でしかできない仕事をするために「高い能力を身につけること」。常に製品・サービスについて学び、高度な問い合わせにも対応できる知識を身につけることが必要です。
さらに専門知識を身につければ、テクニカルサポートや開発部門、DX推進部門などへのキャリアチェンジも視野に入ります。提案力を鍛えれば、カスタマーサクセス部門の戦力にもなるでしょう。「強み」としてスキルを身につけることは、今後のキャリアに大きな影響を与える必須事項です。
いまの部署で実績を積み上げて、管理職になるのもひとつの選択肢でしょう。いまのオペレーター業務がAIに置き換わったとしても、管理するのは人間の仕事になるはずです。マネジメントに興味がある人は、組織目標の達成など努力を重ねて出世を目指しましょう。
デジタル化が進んだ現在、ユーザーは「すぐに答えを知りたい」という意識を強めています。電話をかけたり、返信を待ったりすることに、以前よりも強いストレスを感じるようになりました。一方で、サポート担当者は増加する問い合わせに対応しきれず、返答が遅れるケースも少なくありません。その結果、対応が間に合わず、見込み顧客や既存ユーザーの離脱につながる場面が増えています。
こうした状況への対処法としては、一部の問い合わせを「人を介さずに自己解決できる仕組み」に整えることが有効です。たとえば、よくある質問はチャットボットで即時に案内したり、操作画面には関連マニュアルへのリンクを表示するといった工夫が考えられます。また、ユーザーの行動に応じてヒントをポップアップで表示するなど、自ら解決できる流れを自然に組み込むことも効果的です。
自己解決型の仕組みを導入することで、対応の手間を削減しつつ、ユーザーの利便性も高められます。案内がスムーズになれば、サポート担当者は基本的な対応に追われず、より複雑な問い合わせや付加価値の高い業務に集中できるようになります。
モノがあふれ、価格や機能面での差別化が難しい昨今、カスタマーサポートによる顧客満足度の向上が求められています。顧客に喜びや感動を与え、リピーターやファン創出につなげるためにも、サポートの品質向上は常に意識すべきです。
その中で、カスタマーサポートは様々な顧客からあらゆる質問が飛んできます。すべての顧客に等しく対応していては、繁忙でパンクしてしまいます。
AIやチャットなど便利なツールが登場していますが、基礎的な質問はデジタルで、それでも分からない内容は人が対応するのが重要です。
基礎的な質問については、例えばCSツール「Fullstar(フルスタ)」を活用するのも1つの手です。
デジタルガイドを表示してその場で自己解決できるような導線をつけることで、カスタマーサポートが対応する工数を削減することもできます。
Fullstarを活用してカスタマーサポート業務を効率化し、人が本来対応すべき内容に注力できるようにしましょう。
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