CS業務が属人化する原因と5つの対策。CSツールによる属人化解消の効果と事例も解説!

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カスタマーサクセス(CS)組織の拡大に伴い、「特定の担当者しか対応できない業務が増えた」「エース社員が抜けると現場が回らない」といったCS業務の属人化に悩むマネージャーの方は少なくありません。

カスタマーサクセスにおける属人化とは、顧客対応の品質やノウハウが個人のスキルに依存し、組織として共有・標準化されていない状態を指します。立ち上げ初期には個人の力量で突破することも必要ですが、組織が拡大するフェーズにおいて、過度な属人化は顧客満足度の低下やチームの疲弊を招く大きなリスク要因となります。

本記事では、CS業務が属人化してしまう構造的な原因と、それを解消して組織全体の対応力を底上げするための「仕組み化」の具体的なステップについて解説します。

特に、以下のような課題をお持ちのカスタマーサクセス責任者・マネージャーの方に特におすすめの内容となっています。

  • 担当者によって顧客対応のレベルや回答内容にばらつきがある
  • 優秀なメンバーに業務が集中し、新人育成やナレッジ共有が進まない
  • ハイタッチ(個別対応)中心の支援に限界を感じ、効率化を図りたい

なお、属人化解消の鍵となる「テックタッチ」の導入や、顧客自身による自己解決を促進する手法については、以下の資料でも詳しく解説しています。組織の生産性を高めるヒントとして、ぜひ本記事と併せてご活用ください。

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目次

カスタマーサクセスの属人化は「個人の問題」ではなく「構造の問題」

多くの現場で誤解されがちなのが、「属人化するのは担当者が情報を抱え込んでいるからだ」「共有しない個人の意識が低い」という認識です。しかし、カスタマーサクセスにおいて属人化が発生するのは、個人の資質よりも業務の構造そのものに原因があるケースがほとんどです。

ここでは、なぜCS組織は必然的に属人化に向かってしまうのか、そのメカニズムを紐解きます。

優秀なCS担当者ほど「スーパーマン化」しやすい罠

皮肉なことに、属人化は「責任感が強く、優秀な担当者」がいるチームほど進行します。

顧客の課題を深く理解し、柔軟に対応できる優秀なCS担当者(ハイパフォーマー)は、顧客からの信頼も厚く、あらゆる相談がその人に集中します。「〇〇さんに聞けば何とかしてくれる」という状態は、一見すると頼もしいものです。しかし、これは裏を返せば「その人以外は誰も解決できない」というブラックボックス化が進行している状態でもあります。

担当者自身も「自分が対応した方が確実で早い」という成功体験があるため、多忙な中でわざわざマニュアルを作成して他者に任せるインセンティブが働きにくくなります。このように、個人の善意と能力に依存した「スーパーマンモデル」が定着してしまうことが、属人化の最大の入り口です。

「今は自分がやった方が早い」が組織の成長を止める

現場目線で見れば、目の前の顧客対応に追われている中で、業務プロセスを文書化したり、新人に教えながら進めたりするのは非常にコストがかかる行為です。

「マニュアルを作る時間があれば、自分が一件でも多くメールを返したい」 「複雑な背景がある案件なので、説明するより自分でやった方が早い」

こうした現場の判断は、短期的には合理的です。しかし、「今は自分がやった方が早い」の積み重ねは、中長期的には組織の首を絞めることになります。ナレッジが形式知として残らないため、同じトラブルシューティングを全員がゼロから調べることになり、組織全体の生産性は上がりません。マネージャーは、この「短期的な効率」と「長期的な資産化」のトレードオフを理解し、意図的に介入する必要があります。

フェーズによる違い(立ち上げ期の「良い属人化」と拡大期の「悪い属人化」)

属人化には「許容すべき時期」と「解消すべき時期」があります。

  • 立ち上げ期(PMF前後): まだ正解の型が見えていない時期です。この段階では、エース社員が属人的なスキルを駆使して顧客を成功に導き、事例を作ることが最優先です。これを無理に標準化しようとすると、PDCAのスピードが落ちてしまいます。この時期の属人化は「良い属人化」と言えます。
  • 拡大期(組織化フェーズ): 顧客数が増え、メンバーを増員する段階です。ここで属人化を放置すると、新人が育たず、エース社員が疲弊して離職リスクが高まります。ここからは「悪い属人化」となり、早急な標準化(型化)が求められます。

貴社のCSチームが現在どのフェーズにあり、どこまでを標準化すべきかを見極めることが重要です。

属人化を放置することで失う3つの資産

「なんとなく回っているから大丈夫」と属人化を放置していると、ある日突然、組織にとって致命的なダメージ顕在化することがあります。それは単なる業務効率の問題にとどまらず、「顧客」「人材」「信頼」という3つの重要な資産を失うリスクに直結します。

ここでは、属人化が引き起こす具体的なデメリットについて解説します。

担当者変更=解約(チャーン)リスクという時限爆弾

最も恐れるべきリスクは、担当者の退職や異動がそのまま顧客の解約(チャーン)に直結することです。

属人化した関係性では、顧客は「そのサービス(会社)」ではなく「その担当者」に価値を感じています。「〇〇さんが担当でなくなったら、使い続ける意味がない」と思われてしまうのは、SaaSビジネスとして非常に脆弱な状態です。 また、引き継ぎにおいても、過去の経緯や文脈(コンテキスト)が共有されていないため、後任者がゼロから関係構築をしなければならず、顧客にストレスを与えてしまいます。これはCSにとって最大のリスク要因となり得ます。

ナレッジが蓄積されず、採用・育成コストが高止まりする

特定の人しか業務ができない状態では、組織としての学習能力が麻痺します。

新しいメンバーが入社しても、教育できる人が「忙しいエース社員」しかいないため、十分なオンボーディングが受けられません。「背中を見て覚えろ」というOJT頼みになり、独り立ちするまでに膨大な時間がかかります。 結果として、採用コストをかけて人を増やしても戦力化せず、現場の負荷は下がらないという悪循環に陥ります。組織図のモデルを整え、役割分担を明確にしても、ナレッジ共有の仕組みがなければ組織は機能しません。

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顧客対応品質のばらつきによるブランド毀損

属人化が進むと、担当者によって顧客への回答内容や提案の質に大きな差が生まれます。

Aさんの担当顧客は手厚いサポートで満足度が高い一方、Bさんの担当顧客は放置され気味で不満を持っている、といった状況は、サービス全体のブランドへの信頼を損ないます。SaaSにおいて「誰が担当でも一定以上のクオリティでサクセスできる」という再現性は、サービスそのものの品質の一部です。この品質が担保できない状態は、中長期的な競争力の低下を招きます。

CSの属人化を解消し、業務効率を高める5つの対策

CS業務の属人化は、意識的な取り組みによって解消することが可能です。ここでは、組織全体の力を高め、持続的な成長を実現するための5つの具体的な対策を紹介します。これらの対策を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
CSの属人化を解消し、業務効率を高める5つの対策

対策1:業務の可視化とプロセスの標準化

まず着手すべきは、各担当者が「いつ」「誰に」「何を」「どのように」行っているのか、業務内容をすべて洗い出し、可視化することです。その上で、非効率な部分や担当者によってやり方が違う部分を特定し、最も成果の出るプロセスを「標準」として定義します。オンボーディングのフロー、定期連絡のテンプレート、トラブル発生時のエスカレーションルートなどを明確に定めることで、誰が対応しても一定の品質を保てる基盤ができます。

対策2:マニュアル作成とナレッジ共有の徹底

標準化した業務プロセスは、誰が見ても理解できるようにマニュアルやFAQとして文書化することが不可欠です。

  • 業務マニュアル: 手順をステップバイステップで記述し、スクリーンショットなども活用して分かりやすく作成します。
  • FAQ: 顧客からよくある質問とその回答をまとめ、いつでも検索できるようにします。
  • 応対履歴: 顧客とのやり取りを記録し、チーム全体で共有します。

これらのドキュメントをクラウドストレージやナレッジベースツールで一元管理し、常に最新の状態に保つ運用を徹底することが重要です。

対策3:CS Opsの導入による仕組み化の推進

CS Ops(カスタマーサクセスオペレーションズ)は、カスタマーサクセス部門の活動をデータとテクノロジーを用いて効率化・最適化する専門の役割です。CS Opsを導入することで、データに基づいた客観的なアプローチが可能になり、個人の感覚や経験に頼った属人的な活動から脱却できます。例えば、顧客の利用状況データを分析して解約リスクのある顧客を自動でリストアップする、といった仕組みを構築します。

対策4:ハイタッチ業務の一部をテックタッチ・ロータッチで効率化

売上貢献度の高い優良顧客に対して行う、手厚い個別対応(ハイタッチ)は非常に重要ですが、これが属人化の温床になりやすい側面も持ち合わせています。特定の担当者が持つ深い製品知識や顧客理解に依存するため、その担当者なしでは適切なサポートが提供できなくなるリスクがあるからです。

この対策は、全てのハイタッチ業務の中から、定型的・反復的に行われる部分を特定し、それらをテクノロジーで代替する「テックタッチ」や、一対多のコミュニケーションである「ロータッチ」に移行させるアプローチです。

例えば、新機能の基本的な操作説明や、導入初期のセットアップ案内など、多くの顧客に共通して発生する業務は、個別に対応するのではなく、プロダクトツアーやFAQ、ウェビナーといった形式で提供します。以下のようにSaaSプロダクト画面上にガイドを表示することで、基礎的な案内を自動化・自己解決率の向上ができます。

※kintoneでのFullstar実装実例

これにより、エース級の担当者は定型業務から解放され、顧客の事業課題に踏み込むような、真に個別対応が必要な戦略的対話に集中できるようになります。また、ノウハウを仕組み化する過程でナレッジが組織に蓄積され、チーム全体の対応レベルの底上げにも繋がります。

対策5:チームで成果を出す文化の醸成と評価制度の見直し

属人化解消には、文化的なアプローチも欠かせません。個人の成果だけでなく、チームへの貢献度(ナレッジ共有、後輩育成など)を評価制度に組み込むことで、従業員の意識を変えることができます。「チーム全体の成功が個人の成功に繋がる」という文化を醸成し、互いに助け合い、情報をオープンに共有する風土を作り上げることが、属人化に対する最も強力な抑止力となります。

【事例】CSの属人化解消に成功した企業の取り組み

理論だけでなく、実際に企業がどのようにしてCSの属人化という課題を乗り越えたのか、具体的な事例を見ていきましょう。ツール活用や体制構築によって、業務の標準化と効率化を実現した3社の取り組みを紹介します。

株式会社ケアクル:CSによる初期支援を50%以上削減し、CS部門の生産性を向上

治療院向け電子カルテシステム「RIPICLE」を提供する株式会社ケアクル様は、少人数のCS部門で顧客のオンボーディングを行うにあたり、その工数増大に課題を抱えていました。特にITに不慣れな顧客も多く、初期設定の支援に1件あたり1時間〜1時間半を要していました。

この課題を解決するため、画面上で操作を直接案内できるFullstarを導入。具体的には、以下の施策を実行しました。

  • 初期設定ガイドの作成: これまでCS担当者が個別に行っていた案内をチュートリアル化。
  • ツールチップ: 専門用語などに補足説明を表示。
  • ポップアップ: 新機能やセミナー情報を案内。
  • アンケート: 利用フェーズに応じたアンケートを実施。

これらの施策により、初期設定のオンボーディング時間は30分〜45分へと半分以下に短縮されました。結果として、CS担当者が2人から1人体制になっても同等以上の成果を出せるようになり、部門全体の生産性が大幅に向上しました。

また、顧客からの質問内容も基本的な操作から、より応用的・発展的なものへと変化し、CSとしてさらに価値のあるサポートを提供できるようになったという成果も出ています。

参考:ケアクル様のFullstar事例

ジンジャー株式会社:限られたリソースでCS施策の強化に成功

人事労務・勤怠管理などを提供する「ジンジャー」を展開するjinjer株式会社様は、新規顧客の増加に伴うCSのリソース不足や、ヘルプサイトが十分に活用されていないという課題を抱えていました。

この課題を解決するため、CS部門だけで施策を迅速に実行できるFullstarを導入。具体的な施-策として、以下の機能を中心に活用しました。

  • チュートリアル/ツールチップ: 初期設定や専門用語の説明を自動化し、顧客がセルフで設定を進められる環境を構築。
  • オンボーディングチェックリスト/イベントトラッキング: 顧客のオンボーディング進捗を可視化し、遅れている顧客へのフォローアップを可能に。

Fullstarの導入により、これまで開発部門への依頼が必要だった施策もCS部門だけで完結できるようになり、施策実行までの時間が大幅に短縮されました。

また、チェックリストからの動画解説によりCSの機能説明工数が削減されたほか、ツールチップの表示データから顧客が本当に求めているコンテンツを可視化できるようになるなど、データに基づいた改善活動が可能になりました。

参考:ジンジャー様のFullstar事例

株式会社北陸銀行:属人化の壁をAIで超える、FAQサイトの活用

株式会社北陸銀行様では、約150の営業店から本部に寄せられる電話での問い合わせ対応に多くの時間を割いていることや、マニュアル等の情報が散在し、行員が必要な情報を探すのに手間取るといった課題がありました。また、電話でのやり取りは情報が共有されにくく、同じ内容の照会が繰り返されたり、特定の詳しい行員に負荷が集中したりと、業務の属人化も問題となっていました。

これらの課題を解決し、行員が自己解決できる環境を整えるため、FAQシステム「Helpfeel」を導入。具体的な施策として、以下の点を進めました。

  • FAQ記事の作成: 当初、行内ヘルプデスク用の記事がほとんど無かったため、行内の掲示板にあるデータを基に、生成AI機能も活用しながら約1,800の記事を作成。
  • 利用促進: 毎月の通達で更新記事を知らせたり、管理職の会議で活用方法を説明したりすることで、行員への浸透を図った。

導入後、電話照会の内容を分析することで、行員が疑問を抱きやすい分野や、電話対応の負荷が高い業務が可視化されるようになりました。具体的な入電数の削減数値はまだ分析中とのことですが、今後はこの分析結果を基に、より効果的なFAQ記事を作成していくとしています。

また、Helpfeelのフィードバック機能を活用することで、現場の行員から直接要望を収集し、次に作成すべき記事や改善点を把握するヒントを得られるようになり、継続的な改善サイクルを回し始めています。

参考:属人化の壁をAIで超える。北陸銀行の150営業店を支える“即時解決×知識継承”の挑戦(ヘルプフィール事例)

属人化を解消するCSツールとその効果

これまで見てきたように、CSの属人化を解消するためには、プロセスの標準化やナレッジ共有が不可欠です。そして、これらの取り組みを効率的かつ効果的に進める上で、カスタマーサクセスツールの活用は非常に有効な手段となります。

CS(カスタマーサクセス)ツールとは?

CSツールとは、顧客のサービス利用状況の可視化、コミュニケーションの自動化、オンボーディングの効率化などを通じて、カスタマーサクセス活動を支援するITツールの総称です。これらのツールを活用することで、これまで担当者の経験や勘に頼っていた部分をデータに基づいて判断したり、手動で行っていた定型業務を自動化したりすることが可能になります。これにより、CS担当者はより創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになり、チーム全体の生産性が向上します。

おすすめツール「Fullstar」でテックタッチ施策による属人化解消を実現

数あるCSツールの中でも、特に業務の標準化と属人化解消に高い効果を発揮するのが、当社の提供するテックタッチツール「Fullstar(フルスタ」です。Fullstarは、Webサービス上にチュートリアルやプロダクトツアー、ツールチップ(操作案内)などをプログラミング不要で設置できるツールです。
Fullstar

Fullstarを活用することで、以下のような効果が期待でき、属人化の根本原因にアプローチできます。

  • オンボーディングの自動化・標準化: 新規顧客への初期設定や基本操作の案内をチュートリアル化することで、CS担当者の手を介さずに、全顧客へ均質な案内を提供できます。これにより、担当者ごとの案内品質のばらつきを防ぎます。
  • 問い合わせ件数の削減: 顧客が自己解決できる環境を整えることで、CS部門への基本的な問い合わせを削減します。これにより、担当者はより複雑な課題解決にリソースを集中させることができます。
  • 利用状況のデータ化: 誰が・いつ・どの機能を使ったかといった顧客の利用状況をデータで正確に把握できます。これにより、個人の感覚に頼らない、データに基づいた客観的な顧客アプローチが可能になります。

事例で紹介した株式会社ケアクル様やjinjer株式会社様のように、多くのSaaS企業がFullstarを活用して属人化を解消し、CS部門の生産性を飛躍的に向上させています。

CSの属人化を防ぎ、顧客と事業の成長を実現しよう

本記事では、カスタマーサクセス(CS)における属人化が引き起こす問題点から、その原因、そして具体的な解消法までを詳しく解説しました。

CSの属人化は、顧客対応品質の低下、業務の非効率化、そして担当者退職時の業務停滞リスクといった、事業の根幹を揺るがしかねない深刻な問題を引き起こします。この問題を解決するためには、以下の5つの対策を組織的に進めることが重要です。

  1. 業務の可視化とプロセスの標準化
  2. マニュアル作成とナレッジ共有の徹底
  3. CS Opsの導入による仕組み化の推進
  4. ハイタッチ業務の一部をテックタッチ・ロータッチで効率化
  5. チームで成果を出す文化の醸成と評価制度の見直し

これらの取り組みは、一朝一夕で成し遂げられるものではありません。しかし、「Fullstar」のようなCSツールをうまく活用することで、そのプロセスを加速させることができます。個人の力に依存する組織から、チーム全体で顧客を成功に導く「仕組み」を持つ組織へと変革することが、SaaSビジネスの持続的な成長の鍵となります。

【3分でわかる】Fullstar(フルスタ)概要資料

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