社内ヘルプデスクの構築方法を解説! ゼロから始めるための完全ガイド

社内ヘルプデスクの構築方法を解説! ゼロから始めるための完全ガイド

「社内ヘルプデスクって具体的に何をすれば構築できるの?」そんな悩みをお持ちのあなたへ。この記事では、社内ヘルプデスクの役割や種類、構築するメリットから、具体的な準備、システム選定、運用フロー設計、立ち上げ、そして成功させるためのポイントまでを完全ガイドとして解説します。本記事を読めば、社内ヘルプデスク構築に必要な知識・手順が全て網羅できます。ゼロから成功へ導くための羅針盤として、ぜひご活用ください。

 

社内ヘルプデスクとは?

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社内ヘルプデスクとは、企業の従業員がITに関する問い合わせを行う窓口のことです。社内システムやソフトウェア、ハードウェアに関するトラブルシューティングや操作方法の案内を通じて、従業員がスムーズに業務を遂行できるようサポートします。

 

1.1 社内ヘルプデスクの役割と必要性

現代のビジネスにおいて、ITシステムは不可欠です。しかし、ITシステムの利用に不慣れな従業員も多く、トラブルが発生すると業務の停滞を引き起こすことがあります。そこで、社内ヘルプデスクが重要な役割を果たします。社内ヘルプデスクの主な役割は以下の通りです。

・IT関連のトラブルシューティング

パソコンやネットワークのトラブル、ソフトウェアのエラーなど、従業員が直面するさまざまなIT関連の問題を解決します。迅速な問題解決によって、業務への影響を最小限に抑えることが期待されます。

・操作方法の案内

社内システムやソフトウェアの使用方法、パスワードの再設定方法などについて従業員からの問い合わせに対応します。操作方法が分からずに業務が滞るのを防ぎ、業務効率化を促進します。

・IT資産管理の補助

従業員が使用しているパソコンやソフトウェアの利用状況を把握し、IT資産の適切な管理を支援します。これにより、ライセンス違反やセキュリティリスクの軽減にも貢献します。

・従業員へのIT教育

ITシステムの利用に関する研修やマニュアルの作成を通じて、従業員のITリテラシー向上を支援します。セキュリティ意識の向上や高度なIT活用の促進にもつながります。

これらの役割を果たすことで、社内ヘルプデスクは企業全体の業務効率化、コスト削減、従業員満足度向上に貢献します。

 

1.2 社内ヘルプデスクの種類

社内ヘルプデスクには、大きく分けて「一次受付型」と「専門分野別型」の2種類があります。

・一次受付型のヘルプデスク

すべての問い合わせをまず一括して受け付けます。簡単な質問やトラブルについてはその場で対応し、専門知識が必要な場合には、二次受付へエスカレーションします。

メリットは、迅速な対応が可能である点です。特に、一次受付で解決できる問題が多い場合には効率的です。しかし、デメリットとしては、一次受付担当者のスキルによって対応の品質が左右される点や、二次受付へのエスカレーションが頻繁に発生する場合には、対応が遅延する可能性がある点が挙げられます。

・専門分野別型のヘルプデスク

ネットワーク、ソフトウェア、ハードウェアなどの専門分野ごとに担当者を配置し、問い合わせ内容に応じて適切な担当者に振り分けます。

メリットは、専門性の高い対応が可能であり、一次受付で解決できない問題が減少し、解決までの時間を短縮できることです。しかし、デメリットとしては、各分野の担当者が必要になるため人件費が増加する点や、問い合わせ内容によっては適切な担当者を判断するのが難しい場合がある点があります。

これらの方法以外にも、企業の規模や業種、IT環境に応じたさまざまな形態の社内ヘルプデスクが存在します。たとえば、最近では、チャットやAIを活用した自動応答システムを導入する企業も増えています。自社の課題やニーズに最適な形態を検討することが重要です。

 

社内ヘルプデスク構築のメリット


社内ヘルプデスクを構築することで、企業は多くのメリットを享受できます。

主なメリットとして、「業務効率化」、「コスト削減」、「従業員満足度の向上」、「ITリテラシーの向上」の4つが挙げられます。

2.1 業務効率化

社内ヘルプデスクを構築することで、従来は各担当者が個別に対応していた問い合わせを一元管理できるようになり、問い合わせ対応にかかる時間や手間を大幅に削減し、担当者が本来の業務に専念できる環境を整えることが可能となります。

また、ナレッジベースやFAQシステムを活用することで、よくある質問への対応を自動化し、業務効率化がさらに進みます。問い合わせ対応の迅速化も図られ、一元管理によって対応時間が短縮され、過去の対応履歴を活用することで、類似の問題が発生した際には迅速な対応が可能となります。さらに、ナレッジベースを活用することで、解決策や対応手順の情報共有が進み、従業員が自分で解決策を見つけやすくなるため、業務の中断を防ぐ効果も期待できます。

2.2 コスト削減

社内ヘルプデスクの構築には初期費用がかかりますが、その後の運用により人件費や外部委託費の削減が期待できます。特に、これまで外部に委託していたヘルプデスク業務を内製化することで、大幅なコスト削減が可能となります。問い合わせ対応の効率化によって、必要な担当者の数を最小限に抑えられるほか、自動化システムを導入することで人手を減らしながらも対応品質を維持することができます。また、ヘルプデスク業務を外部委託から社内で実施することで、コスト削減に加え、社内の担当者が自社の業務やシステムに精通しているため、より迅速で的確な対応が可能となる点も大きなメリットです。

2.3 従業員満足度の向上

社内ヘルプデスクは、従業員が抱えるIT関連のトラブルや疑問を迅速に解決する役割を果たし、従業員の業務効率や生産性を向上させるだけでなく、職場に対する満足度の向上にも貢献します。IT関連の問題がすぐに解決されることで、従業員のストレスが軽減され、心理的負担が減少し、モチベーションが向上します。また、問題が迅速に解決される環境が整うことで、従業員は業務に集中しやすくなり、企業へのエンゲージメントやロイヤリティの向上にもつながります。

2.4 ITリテラシーの向上

社内ヘルプデスクは、単なる問題解決の場であるだけでなく、従業員のITスキル向上にも貢献します。ヘルプデスクを通じて、定期的なトレーニングやワークショップを開催することで、従業員のITリテラシーを継続的に向上させることが可能です。また、ヘルプデスクが中心となって、社内システムやツールの使い方をまとめたマニュアルやガイドラインを整備し、従業員の自発的な学習を促進する役割も担います。

これらのメリットを踏まえ、社内ヘルプデスクの構築は、企業の業務効率化、コスト削減、従業員満足度の向上、そしてITリテラシーの強化という観点から、非常に有効な投資であると言えるでしょう。

 

社内ヘルプデスク構築の準備


社内ヘルプデスク構築を成功させるためには、現状を把握し、課題や目標を明確にした上で、適切な体制を構築することが重要です。具体的なステップは以下の通りです。

 

3.1 現状分析と課題の明確化

まずは、現状の社内ヘルプデスク体制や運用状況を分析し、課題を明確にする必要があります。以下の項目を参考に、現状を洗い出してみましょう。

・問い合わせ対応の現状

・問い合わせチャネル(電話、メール、口頭など)とその件数

・対応時間や対応スピード

・対応者のスキルや知識レベル

・問い合わせ対応に関するマニュアルの有無

・利用しているツールやシステム

・ヘルプデスク担当者の業務負荷

・従業員からのヘルプデスクに対する意見や要望

これらの項目を分析することで、現状における課題や問題点が明らかになります。

例えば、「問い合わせ対応に時間がかかりすぎている」「対応品質にばらつきがある」「ヘルプデスク担当者の負担が大きい」といった課題が見えてくるでしょう。

 

3.2 目標設定

現状分析と課題を明確化したら、次に社内ヘルプデスク構築における具体的な目標を設定します。目標設定は、後々のシステム選定や運用設計の指針となる重要なプロセスです。目標は、具体的かつ測定可能なものとして設定することが重要です。例えば、以下のような目標が考えられます。

 

・問い合わせ対応時間の短縮(例:平均対応時間を現状の30分から15分に短縮)

・問い合わせ対応件数の削減(例:FAQの充実により、問い合わせ件数を20%削減)

・従業員満足度の向上(例:満足度調査で、現状の3.5ポイントから4.0ポイントに改善)

 

3.3 体制構築

目標を達成するためには、適切な体制構築が不可欠です。社内ヘルプデスクの規模や役割に応じて、専任の担当者を置くか、既存の部署が兼任するかを決定します。また、リーダーやサブリーダーを決め、責任と権限を明確化することで、スムーズな運営体制を構築することができます。体制構築においては、以下の点を検討する必要があります。

・担当者の役割分担

社内ヘルプデスクの規模が大きくなれば、担当者の役割分担を明確にすることが重要です。例えば、一次対応と二次対応で担当者を分けたり、専門分野ごとに担当者を配置したりすることで、より専門性の高い対応が可能になります。役割分担を明確にすることで、責任範囲も明確化しやすくなるでしょう。

・スキル要件の定義

各役割に必要なスキル要件を定義することで、適切な人材配置や教育計画の立案が可能になります。例えば、一次対応であれば、コミュニケーション能力や基本的なITスキルが求められます。二次対応であれば、より専門的な知識やトラブルシューティング能力が必要となるでしょう。

・情報共有体制の整備

問い合わせ対応に関する情報を共有するための体制を整えることも重要です。ナレッジベースシステムを導入したり、定期的なミーティングを実施したりすることで、最新の情報やノウハウを共有することができます。情報共有をスムーズに行うことで、対応品質の向上や対応時間の短縮に繋がるでしょう。

 

これらの要素を考慮しながら、自社の状況に最適な体制を構築していくことが重要です。また、体制構築は一度決めたら終わりではなく、運用状況や課題に応じて柔軟に見直していく必要があるでしょう。

 

社内ヘルプデスク立ち上げと運用

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社内ヘルプデスクの構築が完了したら、いよいよ立ち上げと運用開始です。ここからは、スムーズな立ち上げと効果的な運用のためのポイントを解説します。

 

4.1 マニュアル作成とFAQ整備

社内ヘルプデスクをスムーズに運用するためには、問い合わせ対応の基礎となるマニュアル作成とFAQ整備が欠かせません。特に、以下の2種類は必ず作成しましょう。

・ヘルプデスク担当者向けマニュアル

ヘルプデスク担当者向けのマニュアルには、問い合わせ対応の手順やエスカレーションのルール、システムの操作方法など、具体的な業務内容を網羅します。新人担当者のトレーニング資料としても活用できるよう、分かりやすくまとめておくことが重要です。

・利用者向けFAQ

利用者向けFAQは、よくある質問と回答をまとめたものです。社内ポータルサイトなどに掲載し、誰でもアクセスできるようにすることで、問い合わせ対応の効率化に繋がります。FAQの内容は、運用開始後に寄せられる質問を分析し、随時更新していくことが重要です。

FAQ作成の際は、以下の点に注意しましょう。

・検索性に気を付ける

・分かりやすい言葉で簡潔に説明する

・図や表を使って視覚的に分かりやすくする

 

4.2 ヘルプデスク担当者の教育

社内ヘルプデスクの質は、担当者のスキルに大きく左右されます。そのため、事前の教育体制が非常に重要になります。担当者には、以下の内容を重点的に教育しましょう。

・ITスキル

問い合わせ内容を理解し、適切な解決策を提示するために必要なITスキルを習得します。OS、ネットワーク、セキュリティなどの基礎知識に加え、社内システムに関する深い理解も求められます。研修やeラーニングなどを活用し、必要なスキルを効果的に習得できる環境を整えましょう。

・コミュニケーションスキル

利用者との円滑なコミュニケーションは、問題解決のスピードと満足度に直結します。相手の状況を理解し、分かりやすく説明する能力、また、時には感情的な利用者に対して、冷静かつ丁寧に対応できるスキルが必要です。ロールプレイングなどを実施し、実践的なトレーニングを行うことが効果的です。

・問題解決能力

様々な問い合わせに対して、迅速かつ的確に問題を解決する能力が求められます。情報収集、分析、解決策の立案といった一連のプロセスを効率的に行うためのトレーニングが必要です。過去の事例などを共有し、問題解決能力の向上を目指しましょう。

 

4.3 運用開始と効果測定

社内ヘルプデスクの立ち上げ後も、継続的な改善が必要です。そのためには、KPIを設定し、定期的に効果測定を行うことが重要です。主なKPIとしては、以下のようなものが挙げられます。

・解決率:問い合わせに対して、問題が解決した割合

・平均解決時間:問い合わせを受けてから問題解決までに要した時間の平均値

・顧客満足度:ヘルプデスクの対応に対する利用者の満足度

・FAQ利用率:問い合わせ全体に対する、FAQページへのアクセス数の割合

これらのKPIを定期的に測定し、分析することで、社内ヘルプデスクの改善点が見えてきます。例えば、解決率が低い場合は、担当者のスキル不足やFAQの内容が不十分である可能性が考えられます。平均解決時間が長い場合は、問い合わせ対応プロセスに問題があるかもしれません。効果測定の結果に基づいて、マニュアルの改訂や担当者への追加教育など、適切な改善策を実施していくことが重要です。

また、効果測定の結果は、社内ヘルプデスクの費用対効果を評価する際にも役立ちます。効果測定を継続的に行うことで、より効率的で質の高い社内ヘルプデスクの運用を目指しましょう。

 

成功のために留意すべきポイント


社内ヘルプデスクを構築したら、そこで終わりではありません。真に役立つヘルプデスクとして構築し、定着させるためには、その後の運用や改善が重要になります。ここでは、社内ヘルプデスクを成功に導くための留意すべきポイントを紹介します。


5.1 社内周知の徹底

せっかく構築した社内ヘルプデスクも、周知が不十分で利用者が少なければ、その効果は半減してしまいます。利用促進のために、社内ヘルプデスクの存在や利用方法、メリットなどを積極的に周知しましょう。周知には以下の方法があります。

・社内ポータルサイトへの掲載

・社内メールでの告知

・社内報や掲示による案内

・説明会の実施

さらに周知の際には、問い合わせ方法を分かりやすく伝えることが重要です。問い合わせ用のメールアドレスや電話番号、チャットツールのアカウントなどを明記し、迷わずに問い合わせできる環境を整えましょう。


5.2 継続的な改善

社内ヘルプデスクは、構築して終わりではありません。運用を開始した後も、継続的に改善していくことが重要です。そのためには、利用状況を定期的に分析し、課題や改善点を洗い出す必要があります。例えば、以下のような項目を分析すると良いでしょう。

・問い合わせ件数

・問い合わせ内容

・解決までの時間

・利用者の満足度

これらの分析結果に基づいて、FAQの充実や問い合わせ対応フローの見直し、ヘルプデスク担当者のスキルアップなど、必要な改善策を検討・実施します。また、利用者の意見を収集する仕組みを設け、改善に活かしていくことも重要です。例えば、アンケートを実施したり、意見交換会を開催したりするのも良いでしょう。継続的な改善を通じて、社内ヘルプデスクのサービスレベル向上を目指しましょう。社内ヘルプデスクの運用は、PDCAサイクルを回していくことが重要です。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返し行うことで、より質の高いヘルプデスクサービスを提供することができます。


5.3 FAQの充実と最新情報の反映

社内ヘルプデスクにおいて、FAQの充実は非常に重要です。よくある質問をまとめたFAQにより、利用者は自己解決でき、問い合わせ件数の削減につながります。またFAQは作成して終わりではなく、システムのアップデートや社内ルールの変更があった場合には、速やかに最新情報を反映することが重要です。最新の情報を常に反映させることで、利用者の利便性を向上させることができます。

さらに、アクセスログを分析し、よく閲覧されているFAQや検索キーワードを把握することも有効です。これにより、FAQの内容を改善したり、関連性の高いFAQをグループ化することで、さらに使いやすいFAQシステムを構築できます。


5.4 ヘルプデスク担当者のスキルアップ

社内ヘルプデスクの質は、担当者のスキルに大きく左右されます。担当者は、高いコミュニケーション能力や問題解決能力、ITスキルなどが求められます。そのため、担当者に対しては、定期的な研修やスキルアップの機会を提供することが重要です。例えば、外部の研修機関を利用したり、社内での勉強会を開催したりするのも効果的です。また、担当者が最新のITトレンドやサポート技術を習得できるよう、eラーニングシステムの導入や専門書籍の購入補助など、積極的な支援を心がけましょう。

さらに、担当者が抱える業務負荷を軽減することも重要です。問い合わせ対応に追われて、他の業務に支障が出てしまっては本末転倒です。業務を効率化できるツールを導入したり、体制を見直したりするなど、担当者が本来の業務に集中できる環境を整えましょう。担当者がゆとりを持って業務に取り組める環境を作ることで、より質の高いサービス提供につながります。

 

社内ヘルプデスクシステムの選定



ここまでの内容で、社内ヘルプデスクを構築することが難しいと感じた方もいるかもしれません。特に、留意すべきポイントとして挙げた周知や分析、担当者のスキルアップは、実行してもすぐに成果が見えにくい場合があり、リソースやコストの面で改善が難しいこともあるでしょう。

社内ヘルプデスクシステムを活用することで、問い合わせ対応の効率化や情報の一元管理が可能となり、担当者によって対応品質が変わることなく、アクセスログなどのデータも容易に取得できます。システムを導入する際には、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。費用対効果、機能、使いやすさを考慮し、最適なシステムを選定しましょう。また、導入後はシステムを効果的に活用できるよう、担当者に対する操作研修を実施することも重要です。システムの機能を最大限に活用することで、より効率的かつ効果的なヘルプデスク運営が可能となります。

 

6.1 社内ヘルプデスクシステムの種類

・オンプレミス型

オンプレミス型は、自社のサーバーにシステムを構築・運用する方式です。初期費用は高額になりがちですが、カスタマイズ性が高く、自社の環境やニーズに合わせて柔軟にシステムを構築できます。セキュリティ面も安心感がある一方、運用・保守には専門知識が必要となるため、情報システム部門の負担が大きくなる可能性があります。

・クラウド型

クラウド型は、インターネット経由でサービスとして提供される社内ヘルプデスクシステムを利用する方式です。初期費用が安く、導入までの期間も短いことがメリットです。また、システムの運用・保守はベンダーが行うため、情報システム部門の負担を軽減できます。機能面では、豊富な標準機能が用意されていることが多く、自社のニーズに合わせて必要な機能を選択できます。ただし、カスタマイズ性はオンプレミス型に比べると低い傾向があります。近年では、多くの企業がクラウド型のシステムを導入しています。

 

6.2 システム選定のポイント

社内ヘルプデスクシステムを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

・コスト

初期費用だけでなく、運用・保守にかかる費用も考慮して、総合的に判断する必要があります。オンプレミス型は初期費用が高額になる一方、クラウド型は月額料金や年額料金が発生します。自社の予算と照らし合わせて、最適な料金体系のシステムを選びましょう。

・機能

問い合わせ対応に必要な基本機能が備わっていることはもちろん、自社の課題やニーズに合致した機能が搭載されているかどうかも重要な選定ポイントです。例えば、多言語対応が必要な場合は、多言語対応機能が搭載されているシステムを選ぶ必要があります。

・導入のしやすさ

導入にかかる期間や手間も考慮する必要があります。特に、情報システム部門のリソースが少ない場合は、導入が容易なクラウド型のシステムが適しているでしょう。導入までの流れやサポート体制なども事前に確認しておくことが重要です。

・セキュリティ

機密情報を取り扱うこともあるため、セキュリティ対策が万全なシステムを選ぶことが重要です。アクセス権限の設定やデータの暗号化など、セキュリティ機能が充実しているかどうかも確認しましょう。ISMS認証やプライバシーマークを取得しているベンダーのシステムであれば、一定のセキュリティレベルを満たしていると判断できます。

・サポート体制

システムの導入後も、円滑に運用していくためには、ベンダーのサポート体制が重要になります。電話やメールでの問い合わせ対応はもちろん、マニュアルやFAQの充実度なども確認しておきましょう。また、トラブル発生時の対応やバージョンアップなどの情報提供についても、事前に確認しておくことが大切です。

これらのポイントを踏まえ、複数のシステムを比較検討し、自社にとって最適なシステムを選定しましょう。デモ版を提供しているベンダーも多いので、実際にシステムを触ってみることをおすすめします。

 

社内ヘルプデスクシステムの導入事例

株式会社トムス・エンタテイメントは、アニメーション作品の企画・制作・販売・配給及び輸出事業をトータルかつグローバルに展開しています。

・導入の背景と目的

株式会社トムス・エンタテインメントでは、全ての社内システムにおいて、従業員の習得度を一定のレベルに引き上げることを目指していました。また、「日々ツールが更新されていく中でマニュアルの作成を簡易化させたい、 またどのようなユーザーに対してもしっかり情報が伝わるようなマニュアルを提供したい」という思いから、社内のヘルプデスク業務を効率化できるFullstarを導入することで、問い合わせの削減と社内システムの利用率を高めることを目指しました。

Fullstarについてはこちらから

・具体的な取り組み

導入前、各システムにはマニュアルが用意されていたものの、ほとんど参照されていなかったため、社内での問い合わせが増加していました。この状況では、問い合わせに対応する担当者も質問する従業員も非効率的でした。そこで、この問題を解決するために、システム画面上での操作ガイドを活用し、ユーザーが入力作業を行う際にリアルタイムで補助機能を提供しました。これにより、社員がシステムの操作方法を直感的に理解しやすくなり、システムの利用促進につながりました。また、マニュアル資料へのアクセスを簡易化するためにツールチップを導入し、必要な情報に迅速にアクセスできる環境を整備しました。これらの取り組みによって、社員がシステムをより効果的に活用し、社内ヘルプデスクの業務も効率化されました。

・成果

この施策により、システム利用時の従業員の滞在時間が平均で5分以上短縮され、業務の効率化と従業員の負担軽減が実現しました。また、システムに関する社内説明会の開催回数が大幅に減少し、1回あたりの説明時間も従来の1時間から30分に短縮されました。さらに、Fullstarを導入することで、社内の問い合わせ対応やITサポート業務が簡略化され、全体的なサポート業務の負荷も軽減された成功事例となりました。

詳しい事例はこちらから

まとめ

社内ヘルプデスクは、従業員の業務効率化や企業全体の生産性向上に大きく貢献する重要な役割を担っています。本記事では、社内ヘルプデスク構築のメリットから、具体的な構築手順、そして成功させるためのポイントまでを解説しました。

社内ヘルプデスクの構築は、決して容易な道のりではありません。しかし、現状分析や目標設定をしっかりと行い、適切なシステム選定や運用フロー設計を進めることで、必ずや成功に導くことができます。

本記事が、これから社内ヘルプデスク構築に取り組む企業の皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。



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