ユーザーヒアリングとは? 実施方法、よくある失敗例を解説!

ユーザーヒアリングとは? 実施方法、よくある失敗例を解説!

ユーザーヒアリングとは、ユーザーの声を直接聞くことで、商品やサービスの改善点や新たなニーズを発見することです。
BtoB SaaSでもユーザーの声を聞くことはとても重要ですが、直接的に経営数字に影響があるわけではなく、多くの会社で重要なことは認識できても、取り組む優先順位が低くなっています。
本コラムでは、ユーザーヒアリングの具体的な実施方法と失敗しがちな例についてまとめてご紹介いたします。

  

ユーザーヒアリングとは?

ユーザーヒアリングとは、ユーザーの声を直接聞くことで、商品やサービスの改善点や新たなニーズを発見することです。また、顧客体験の向上を目指す上でもユーザーヒアリングは有効です。ユーザーヒアリングをすることで、ユーザーが商品やサービスに対してどのような感情を持っているのか、どのような不満や改善点を持っているのかを把握することができます。その情報をもとに、ユーザーがより満足できるような商品やサービスを提供することでき、顧客体験の向上にもつながります。

ユーザーヒアリングがなぜ重要なのか

ユーザーヒアリングが重要な理由は主に以下3つです。 

1.ニーズがわかる

ユーザーのニーズを把握することは、商品やサービスを提供する上で最も重要な要素です。ユーザーのニーズを把握しないまま新規商品を開発すると、たとえ素晴らしい商品でもユーザーのニーズに合っていなければ商品を購入することはないでしょう。そのためニーズをしっかり把握するために事前のユーザーヒアリングが最も重要な要素のひとつです。

2.ユーザーの特性を理解する

ユーザーヒアリングをすることで、ユーザーの特性や行動、価値観を深く理解でき、ユーザーが本当に求めている商品やサービスを提供することができます。

3.課題がわかる

自社の視点で最適解を探してしまうと、ユーザーの課題を把握できず、失敗するリスクが高まります。ユーザーヒアリングをすることでユーザーの真の課題を知ることができます。また、ユーザー目線で商品やサービスの価値を考えることは、ユーザー自身も気づいていない潜在ニーズを発見することに役立ちます。ユーザーの潜在ニーズを知り、適切なマーケティングを行うことで、商品の認知度や購入率を高めることができます。

ユーザーヒアリングとアンケートの違い

ユーザーヒアリングと似たものにアンケートがあります。簡単にそれぞれの特徴を解説します。 

アンケート (定量調査)

定量調査とは数量的データを収集し分析することです。つまりユーザーデータや数値に焦点を当て、調査対象の属性、態度、行動、意見などを数値データとして収集します。主なメリットは、webやSNS上でアンケートを実施できるのでユーザーへの負担が軽いことです。また量を調べデータを数値化できるので、全体像を把握するのにはかなり優れています。

ヒアリング(定性調査)

定性調査とは主に質的なデータを収集し分析することです。アンケートなどの定量調査とは異なり、主観的な情報(ユーザーの意見や態度、価値観など)を収集することです。主なメリットは、ヒアリングの中で気になった所ついて深堀をしたり、具体的なエピソードを聞くことでユーザーの真のニーズを理解することができます。

ユーザーヒアリングの主な手法

ユーザーヒアリングの主な手法を紹介します。

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューとは、ユーザーに直接会ってインタビューを行う事です。対面でヒアリングを行うことができるので、ユーザーの真のニーズを把握することに効果的です。

Webアンケート

webアンケートとは、webサイトを通じてアンケートを行う事です。ユーザーインタビューとは異なり、対面では言いづらい意見などを聞き出しやすいことが利点です。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとはSNSを通じて情報収集する手法です。多くの意見や、短時間で情報収集したい際に効果的です。しかしSNSの普及により、ネガティブな体験はすぐに拡散されるので注意しましょう。

ユーザヒアリングの流れ

ヒアリングの方向性を決める

最初に行うべきことは、「なぜ」ヒアリングをするのかを改めて確認し、ヒアリングの方向性を決めましょう。

仮説を立てターゲットを絞る

仮説の設定は、ターゲットを絞ることにおいて重要なステップです。仮説が異なるとターゲットにずれが生じます。結果的にどんな良い商品やサービスでもターゲットにズレがあると、商品を提供することが難しくなるでしょう。また、ターゲットには必ずペルソナを設定しましょう。ペルソナを明確にしてヒアリングを実施することで、ユーザーの課題を把握しやすくなります。

ヒアリングシートを作成する

仮説が正しいかどうかを把握するために、仮説に沿ったヒアリングシートを作成する必要があります。ヒアリング内容はSPINに沿って作成するとよいでしょう。まずは状況質問ユーザーの状況を把握し、どんな課題を抱えているのかを問題質問で明らかにします。次の示唆質問は最も重要な質問です。ユーザーの顕在的な課題から、潜在的な課題に踏み込む質問を考えましょう。最後の解決質問では、課題が解決された際のメリットをイメージできるように導きましょう。

例:現在の課題について具体的に教えてください。

この課題の影響や深刻さはどの程度ですか?
これまでの対処策や試みはありましたか?
この課題が解決された場合、どのようなメリットが期待できますか?

上記のような質問をすることで、課題の本質を理解しユーザーの真のニーズを把握できます。SPINに沿ったヒアリングシートを作成することをおすすめします。

ユーザーヒアリングを実施する

ヒアリングシートに沿ってユーザーヒアリングを実施します。しかし、ヒアリングシートに沿って質問するだけではなく、ユーザーとの信頼関係を築くことも重要です。また、実際はシート通りにヒアリングが進むとは限りません。ユーザーから本音を聞き出すことがヒアリングにおいて最も重要なことなので、そんなときに無理やり話を変えたりしないように注意しましょう。

結果を分析する

ユーザーヒアリングが追えたら、ユーザーの意見をまとめて分析を行いましょう。ここでは実際のユーザの考えやユーザーニーズを把握することができます。ユーザーヒアリングで得たデータを基に、今後の商品開発やマーケティングに活かしていきましょう。

ユーザーヒアリングで失敗しがちな事例

簡単な質問をする

最も一般的な誤りは、課題をYES/NOだけで評価し、その課題の重要性や深刻さを無視することです。多くの人は質問に対して「はい」と答える傾向があります。しかしその課題の本質を知ることがユーザーヒアリングにおいて重要なことであるため、単なるYes/Noで判断するのは危険です。

例えば、「あなたは高級時計を欲しいですか?」と質問されたとしましょう。この時、よっぽど嫌いでない限りは「欲しいです」と答えるでしょう。しかし、欲しいの中にも、「絶対に欲しい」と「○○円以内なら欲しい」と「いまはいらないけど、無料なら欲しい」場合があるのでいろいろな深さの「欲しい」があるわけです。これら全てを「欲しいからニーズある」と片付けるのは認識がずれが生じる可能性が大いにあります。

ヒアリング対象が偏っている

こちらも失敗しがちな事例で、すでに関係があるお客様にだけヒアリングする傾向は、新たなお客様の視点を見落とす可能性が大きいです。関係性がすでにある人にヒアリングをする方が簡単ですが、そもそもユーザーヒアリングの本質は「ユーザーの課題を理解する」ことです。対象のユーザーが誰なのかをしっかり定義しないと、対象外のユーザーの意見に左右されてしまいます。

解決方法をユーザーに直接聞く

解決方法をユーザーに聞くことは控えましょう。ヒアリング対象となるユーザーの全員がその商品やサービスの市場を理解しているとは限らないからです。

例えば、ユーザーがもっと安くていろいろな機能がついている時計が欲しいからと言って「安くて多機能の時計を作る」というわけではありません。時計を作る際には、価格や機能以外にも各メーカーに合った「ブランディング」も必要です。


まとめ

ユーザーの声には、商品やサービス提供する上でかなり多くのヒントが隠されています。立てた仮説を基に適切なヒアリングをすることで、次第にユーザーが何を求めているのかが見えてきます。SNSの普及により、ユーザーヒアリングの方法はやりやすくなったという声もありますが、母数が増えたことによりユーザーの真のニーズを把握することも困難になってきています。つまり、ヒアリング方法・対象を適切に定めて、行う必要があります。

また、ユーザヒアリングを行うことで、ユーザーや市場ニーズに合ったマーケティングを実施できます。適切な分析・マーケティングを行うことで、売り上げアップや顧客満足度の向上といったポジティブな結果をもたらしてくれるでしょう。

 

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