CS(顧客満足度)向上の取り組み10選!企業の成功事例や大切なポイントを解説

CS(顧客満足度)向上の取り組み10選!企業の成功事例や大切なポイントを解説

CS(顧客満足度)とは、顧客が製品やサービスに対して抱く満足の度合いを表す指標であり、SaaSやサブスクリプションビジネスにおいて収益安定化の要となる概念です。 競合サービスの増加や市場の成熟に伴い、単に「良い製品」を作るだけでは顧客をつなぎ止めることが難しくなっており、組織全体でCS向上に取り組む「カスタマーサクセス」の視点が不可欠となっています。

本記事では、CS向上のために必要な具体的な10の取り組みから、メリット、評価指標、そして実際に数値改善に成功した企業の事例までを網羅的に解説します。

このような課題をお持ちのカスタマーサポート・サクセス担当の方に特におすすめの内容です。

  • 現状のCS施策がマンネリ化しており、新しい切り口を探している
  • NPS®などの数値を改善するための具体的なアクションプランが知りたい
  • 対応品質を落とさずに効率化を図るためのツールや事例を知りたい

顧客満足度を向上させるには、属人的な努力だけでなく「顧客が迷わず使える環境」を整えることが近道です。記事の後半では、ツールを活用してCS向上を実現する「テックタッチ」の手法についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

CS(顧客満足度)とは?

CS(Customer Satisfaction)とは、日本語で「顧客満足度」と訳され、顧客が自社の製品やサービスを利用した際に感じる「満足感」を数値化・言語化したものを指します。 かつては「接客マナー」や「お客様対応」の文脈で語られることが多かったCSですが、現在ではLTV(顧客生涯価値)や解約率(チャーンレート)に直結する経営の重要指標として位置づけられています。

特にB2BやSaaSにおいては、一度契約して終わりではなく「使い続けてもらうこと」が利益の源泉となるため、CS向上はそのまま事業成長(グロース)を意味します。

CS(顧客満足度)が決まる要素

CS(満足度)は、顧客の主観的な感情ですが、そのメカニズムは「期待値」と「実績」の関係性で論理的に説明できます。

満足度 = 知覚水準(実際の体験) - 事前期待値

顧客はサービスを利用する前に、「これくらい便利だろう」「これくらい親切にしてくれるだろう」という事前期待を持っています。 実際のサービス体験(知覚水準)がこの期待を上回ったときに「満足」や「感動」が生まれ、逆に下回ったときに「不満」が生まれます。

CS向上の鍵は、「顧客の期待を超える体験」を「従業員が自ら生み出す」環境を、「組織的な仕組み」で支えることにあります。顧客の声を聞き、従業員を育て、効率的な仕組みを導入するPDCAサイクルを回すことが成功への道筋です。

【大切なポイント】CSを向上させる意味・目的を考えよう

具体的な施策に入る前に、「何を実現するために、満足度を向上させたいのか」という目的を明確にする必要があります。 企業によって目的は異なりますが、主に以下の3点に集約されます。

  1. 解約(チャーン)の防止: 不満を持つ顧客の離脱を防ぎ、収益基盤を安定させる。
  2. アップセル・クロスセルの創出: 信頼関係のある顧客に上位プランや関連製品を提案し、LTV(顧客生涯価値)を高める。
  3. ブランド資産の構築: 良い評判(口コミ)を広げ、新規獲得コストを下げる。

「満足してもらうことが重要」ではなく、満足してもらうことが、売上につながる何のKPIに紐づくのかを考えることが大切です。自社の経営課題(例:解約率が高い、口コミが悪い等)に合わせた目的を設定することで、後述する10の取り組みから優先順位を決めることができます。

CS(顧客満足度)向上の取り組み一覧【10選】

CS向上に必要なことは、現場のスキルアップから組織的な仕組みづくりまで多岐にわたります。ここでは明日から検討できる具体的な取り組みを10個に厳選して紹介します。

  • 何でもかんでも提供しない(過度に期待値を上げない)
  • サービス自体のクオリティを上げる
  • 自己解決できる仕組みを整える
  • サポート部門による「迅速で丁寧な対応」を行う
  • CXツールの活用でスムーズに顧客対応できる仕組みを整える
  • CRMの活用でデータドリブンな顧客体験を提供できるようにする
  • 従業員満足度(ES)向上の取り組みを進める
  • 顧客フィードバック(VoC)を収集・活用する
  • パーソナライズされた対応を行う

顧客ニーズの理解と期待値を把握する

まずはスタートラインとして、「顧客が何を求めているか」を正確に知る必要があります。 すべての顧客が「手厚い会話」を求めているわけではありません。中には「会話よりもスピード」を重視する顧客もいます。アンケートや初回ヒアリングを通じて、「この顧客は『解決スピード』重視か、『丁寧な共感』重視か」といった期待の所在を特定することで、相手にとって心地よい対応を選択できるようになります。

何でもかんでも提供しない(過度に期待値を上げない)

「お客様のためなら何でもする」という姿勢は一見素晴らしいですが、CS管理の観点からはリスクがあります。 一度無理をして特別な対応(過剰サービス)を行うと、顧客の事前期待値が跳ね上がってしまいます。次回、通常対応をしただけで「前回はやってくれたのに」という不満(マイナスのギャップ)を生む原因になりかねません。SLA(サービスレベル合意書)などで「できること」と「できないこと」の境界線を明確にし、一貫性のあるサービスレベルを保つことが重要です。

サービス自体のクオリティを上げる

どれほどサポート対応が良くても、製品(プロダクト)自体が不具合だらけではCSは向上しません。 使いにくいUI、頻発するバグ、わかりにくい仕様などは、顧客にとって最大のストレス源です。サポート部門に集まった「使いにくい」という声を開発部門へフィードバックし、サービスの根本的な品質改善(プロダクト改善)を促すことも、CS担当者の重要な役割です。

自己解決できる仕組みを整える

現代の顧客、特にデジタルネイティブ層は「問い合わせる」こと自体をストレス(手間)と感じる傾向があります。 「電話がつながらない」「メールの返信が遅い」と不満を持たれる前に、FAQ(よくある質問)サイトやチュートリアルを整備し、顧客が疑問を持ったその瞬間に自己解決できる環境を用意しましょう。これは「エフォートレス(努力不要)体験」と呼ばれ、近年のCSトレンドの主流です。
そのためにテックタッチツール「Fullstar」を導入するケースが増えています。ツールチップやガイドで疑問をすぐに自己解決し、問い合わせを減らすことに繋がります。
Fullstar

サポート部門による「迅速で丁寧な対応」を行う

自己解決できない複雑な問題については、有人サポートの出番です。ここで求められるのは「迅速さ」と「丁寧さ」の両立です。 特にファーストレスポンス(一次回答)の速さは安心感に直結します。解決に時間がかかる場合でも、「現在調査中です。〇〇時までにご連絡します」という一報を1時間以内に入れるだけで、顧客の不安を取り除くことができます。テンプレートに頼りすぎず、顧客の感情に寄り添う一言を添えることも重要です。

CXツールの活用でスムーズに顧客対応できる仕組みを整える

問い合わせ管理システムやチャットボットなどのCX(顧客体験)ツールを導入し、対応の抜け漏れや遅延を防ぎましょう。 属人的な管理ではどうしてもミスが発生しますが、システムでステータスを可視化すればチーム全体でカバーできます。また、顧客が過去にどのような問い合わせをしたか即座に参照できる環境があれば、顧客に何度も同じ説明をさせる手間を省くことができ、スムーズな体験を提供できます。

CRMの活用でデータドリブンな顧客体験を提供できるようにする

CRM(顧客関係管理システム)を活用し、顧客の属性や利用履歴に基づいた対応を行います。 「そろそろ在庫がなくなる頃ですね」「この機能を使っている方にはこちらの設定もおすすめです」といった、データに基づいた先回り(プロアクティブ)な提案は、顧客に「自分のことを理解してくれている」という信頼感を与えます。受動的なサポートから能動的なサクセスへの転換点となる施策です。

従業員満足度(ES)向上の取り組みを進める

「CSとESは表裏一体」と言われます。疲弊し、不満を抱えている従業員が、顧客に対して最高のサービスを提供することは不可能です。 サービス・プロフィット・チェーンの考え方に基づき、評価制度の見直しや業務効率化ツールの導入を行いましょう。従業員が心身ともに健康で、モチベーション高く働ける環境(ES向上)を整えることが、結果として顧客へのサービス品質向上につながります。

顧客フィードバック(VoC)を収集・活用する

VoC(Voice of Customer)は宝の山です。クレームや要望を単なる「処理すべきタスク」として終わらせず、全社で共有しましょう。 さらに重要なのは、改善結果を顧客に伝えることです。「お客様の声により、この機能が改善されました」とアナウンスすることは、顧客に対して「自分たちの声を大切にしてくれる企業だ」という強いメッセージとなり、ロイヤルティ向上に大きく寄与します。

パーソナライズされた対応を行う

画一的なマニュアル対応だけでなく、相手に合わせたパーソナライズ(個別化)対応を取り入れましょう。 例えば、初心者には専門用語を使わずに図解を用いて説明し、エキスパートユーザーには専門的な技術情報を提供するなど、相手の熟練度や状況に合わせたコミュニケーションが満足度を高めます。「私のために合わせてくれた」という特別感が、感動体験を生み出すのです。

CS(顧客満足度)向上の取り組みを行う4つのメリット

CS向上に取り組むことは、単なる「顧客のため」だけでなく、企業経営にとって明確なリターン(利益)をもたらします。

メリット1:リピート・ファンが増える

満足度の高い顧客は、競合他社への乗り換え(解約)を検討しなくなります。SaaSビジネスにおいて、契約継続期間が延びることはLTV(顧客生涯価値)の最大化に直結します。ロイヤルカスタマーが増えれば、収益基盤は盤石なものとなります。

メリット2:口コミ・UGCが増え、集客につながる

感動した顧客は、SNSや知人にその体験を語りたくなります。このUGC(ユーザー生成コンテンツ)は広告よりも信頼性が高く、コストをかけずに質の高い新規リードを獲得する最強の集客手段となります。

メリット3:中長期的な信頼につながる

トラブル時の対応が優れていると、むしろ平時よりも信頼度が高まる「サービス・リカバリー・パラドックス」という現象が起きます。誠実なCS対応の積み重ねは強力なブランド資産となり、多少の価格競争に巻き込まれても選ばれ続ける理由になります。

メリット4:従業員満足度が上がる

顧客から「ありがとう」と感謝される機会が増えると、従業員のモチベーション(ES)も向上します。離職率が低下し、熟練したスタッフが定着することで、さらにCSが向上するという「正のサイクル」が生まれます。

CS(顧客満足度)向上の取り組み事例3選

ここでは、実際にCS向上に取り組み、成果を出した企業の事例を3つの異なるアプローチから紹介します。

スターバックスコーヒージャパン株式会社

〜「マニュアル」を超えた感動体験の提供〜 スターバックスには接客の詳細なマニュアルが存在しません。その代わりに「人々の心を豊かで活力あるものにする」というミッションが共有されています。 従業員(パートナー)が自らの判断で「目の前のお客様が喜ぶこと」を考え、カップにメッセージを書くなどの行動をとることで、期待値を超える感動体験を生み出しています。ES(従業員満足度)の高さがCSに直結している好例と言えます。

ミクステンド株式会社|無料プランユーザー向けのテックタッチ施策を推進

〜NPSスコアの可視化とアクション策定〜 日程調整ツール「調整さん」などを運営するミクステンド株式会社では、無料ユーザーを含め25万人のユーザーのフォローアップを効率化する必要がありました。そこで、DAPツール「Fullstar」を導入し、画面上に操作ガイドを表示する「テックタッチ」施策を展開しました。Fullstarを活用して収集したNPSスコアは「+42pt」と高く、特にフリープランユーザーが数値が高いことがわかりました。これをもとに有償転換率を高める打ち手を策定できるようになりました。

株式会社キャム|1年でNPSスコアを40pt改善

〜数値分析とPDCAによる改善サイクル〜 クラウドERPを提供する株式会社キャムでは、NPS®(推奨意向)を計測し、批判的な意見を持つ顧客へのヒアリングを徹底しました。 「機能は良いが使い方が難しい」という課題に対し、チュートリアルの整備やオンボーディングの強化を実施。地道な改善を続けた結果、1年間でNPSスコアを40ポイントも改善し、受注リードタイムの短縮にもつなげています。

CS(顧客満足度)向上の取り組みを効率化・最大化するツール

人的リソースには限りがあるため、CS向上にはITツールの活用が欠かせません。ここでは特に効果的な2つのツールカテゴリを紹介します。

テックタッチツール「Fullstar」

Webサービスの画面上に、操作ガイドやアンケートを直接表示できるツールです。 「使い方がわからない」というユーザーのつまずきを未然に防ぎ、オンボーディング(定着)を自動化できます。エンジニアに依頼せず、CS担当者がノーコードでガイドを作成できるため、スピーディーな改善が可能です。
Fullstar

AIチャットボット「IZANAI powered by OpenAI」

24時間365日、顧客からの質問に自動応答するチャットボットです。 ChatGPT等の生成AIと連携することで、従来のシナリオ型ボットでは難しかった自然な会話や、複雑な質問への回答が可能になります。定型的な質問を自動化することで、有人スタッフはより高度な対応に集中できます。

CS(顧客満足度)の評価指標

CS向上の取り組みが成功しているかを確認するためには、適切な指標(KPI)で計測する必要があります。

NPS®(Net Promoter Score)

「この商品を親しい友人に勧めたいですか?」という質問で推奨度を測る指標です。業績との相関が強く、多くの企業でメインのKPIとして採用されています。 NPS®とは?の記事で詳しく解説しています。

CSAT(Customer Satisfaction Score)

「今回の対応には満足しましたか?」といった質問で、特定の体験(問い合わせ対応直後など)に対する一時的な満足度を測る指標です。

CES(Customer Effort Score)

「目的を達成するのにどれくらい手間がかかりましたか?」を測る「顧客努力指標」です。自己解決のしやすさを評価する際に適しています。

CS(顧客満足度)向上のために「自己解決」できる仕組みを整えよう

本記事では、CS向上のために必要な10の取り組みと、具体的な実行プロセスについて解説しました。

顧客満足度を高めるためには、丁寧な有人対応も重要ですが、「顧客が迷わず、努力せずに使いこなせる環境」を作ることが、現代においては最も効果的なCS施策となります。

  • 現状分析: NPS®で顧客の期待と課題を把握する
  • 仕組み化: マニュアルやツールで自己解決率を高める
  • 組織改善: ESを高め、従業員が自発的に動ける環境を作る

これらのサイクルを回し続けることが、選ばれ続けるサービスへの近道です。

「仕組み化」の第一歩として、まずはツールの活用から始めてみませんか?

Cloud CIRCUSが提供する「Fullstar(フルスタ)」は、Webサイト上に操作ガイドやアンケートを簡単に設置できるSaaS向けデジタルアダプションプラットフォームです。 「顧客がどこでつまずいているか」を可視化し、適切なタイミングでガイドを表示することで、問い合わせを減らしながら顧客満足度を向上させることができます。

無料プランから手軽に始められますので、まずは資料をダウンロードして、貴社のCS向上にお役立てください。

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