プロダクトマネジメントとは?プロダクトマネジメントトライアングルに沿った具体的な業務を解説

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プロダクトマネジメントとは「製品開発や市場投入、継続的なサポートと製品改善を戦略的に行う業務である」と述べられています(※1)。

LinkedinによるMost Promising Jobs of 2019”は、プロダクトマネージャーを最も有望な職業の一つと位置付け、求人が対昨年度比で約30%増加したことを発表しました。また、GAFAやPayPay、Netflixなどの現プロダクトマネージャーが講師を務める、プロダクトマネジメント研修に特化したProduct Schoolが2021年8月に約28億円(※1)の資金調達を行ったことからも分かる通り、プロダクトマネジメントは現在世界中で必要とされている業務のうちの1つです。本記事では、概念的なプロダクトマネジメントの説明に加えて、実務で活用することができるフレームワークやツールなどもご紹介します。

※1: 2021年8月中旬のレート1$=110円で計算

<参考文献>
※1: Product Plan. “The Ultimate Guide to Product Management
-What is Product Management?”, Product Plan, https://www.productplan.com/learn/what-is-product-management/

 

プロダクトマネジメントとは

プロダクトマネジメント

プロダクトマネジメントとは「製品開発や市場投入、継続的なサポートと製品改善を戦略的に行う業務である」と述べられています。
後にご紹介する「プロダクトマネジメントトライアングル」のうち、全ての領域に関わる業務となります。

プロジェクトマネジメント、プロダクトマーケティングマネジメントとの違い

プロダクトマネジメントとこれら2つの業務との違いは、簡潔に述べると「製品に付随する業務範囲の広さ」です。

プロジェクトマネジメントとは「プロジェクトの目標・成果物などのスコープ設定やプロジェクト全体のタスク管理、リソース管理などを行う、プロジェクト全体を監督する業務」であり(※2)、PMMと略されることが多いプロダクトマーケティングマネジメントは、主要プロダクトのプロモーションやキャンペーン施策、すなわちマーケティング業務を監督する業務となっています(※3)。

プロダクトマネジメントが製品に付随する全ての領域に関わる業務なのに対し、プロジェクトマネジメントとプロダクトマーケティングマネジメントは製品に付随するある特定の分野の意思決定に関わる業務となっているため、業務範囲の違いが大きな相違点であると言えます。

 

<参考文献>
※2: Project Management Institute.  “Who are Project Managers and What Do They Do?”, Project Management Institute, https://www.pmi.org/about/learn-about-pmi/who-are-project-managers#
※3: Sheryl Green. “What is a Product Marketing Manager? Job Description and Salary”, HubSpot, 2022/04/28, https://blog.hubspot.com/marketing/product-marketing-manager

 

プロダクトマネジメントに関わる職種

プロダクトマネジメントに関わる職種として挙げられるのが、プロダクトマネージャーです。この職種は前章でもお伝えした「プロダクト開発や市場投入、継続的なサポートと製品改善を戦略的に行う業務」を遂行する職種であり、プロダクトに付随する全ての領域に関わります。具体的には、市場のニーズ分析やプロダクトのコンセプト策定、価格設定や販売戦略の策定などを行い、プロダクト価値の最大化を目的とした職種です。

プロダクトマネジメントに関わる職種は他にも存在し、セールスやカスタマーサクセス、デザイナーやエンジニアなどがそれに該当します。

まず、セールスは、プロダクトに熟知していない新規ユーザーに対してアプローチを行い、プロダクトの魅力を訴求、販売を行う職種です。その過程で行われるユーザーとの対話で、彼らからプロダクトに対するフィードバックを得ることができ、それらがプロダクト改善に繋がります。

次に、カスタマーサクセスは、既存顧客に対して、LTV最大化のためにプロダクトに対するエンゲージメントを高めてもらう施策を行います。例えば、解約防止のためのプロダクトの操作説明や、アップセル・クロスセルのための提案などです。そうしたサポートの場で、プロダクトに対するフィードバックを得るため、それがプロダクト改善に繋がります。

またエンジニアは、セールス・カスタマーサクセスと比べて顧客接点が少ない職種ですが、彼らがユーザーや顧客から収集したフィードバックを用いて、新規開発や改善業務を行うという点で、プロダクトマネジメントに関わっていると言えます。

そしてデザイナー、とりわけソフトウェア開発企業であればUIデザイナーやUXデザイナーは、ユーザーとプロダクトとの接触に重点を置いたデザインを行います。UIデザイナーはユーザーが使いやすいデザインを、UXデザイナーはユーザーのプロダクト体験価値を最大化するようなデザインを表現します。デザインはプロダクトに大きく関わるため、ユーザーからの使用感に関するフィードバックを得やすいという特徴があります。そのような点で、デザイナーもプロダクトマネジメントに関わっているということが言えます。

以上のことから、プロダクトに関わる全ての職種がプロダクトマネジメントと関わりを持っているのです。

プロダクトマネジメントトライアングル

プロダクトマネジメントトライアングルとは

プロダクトマネジメントトライアングルとは、プロダクトマネジメントに関与する要素とそれらの関係性を示したフレームワークです。2014年にDaniel Schmidt氏によって提唱され、「プロダクトマネージャーという全体的な物事(e.g.世界を変える)と具体的な物事(e.g. プロダクトにボタン機能をつける)を繋ぐ架け橋的存在が必要なのにもかかわらず、それを行うためのフレームワークが無い」という背景(※1)から、このモデルが考案されました。

(※1: Daniel Schmidt. “Product Management Triangle”, Product Logic, 2014. を参考)

 

このモデルでは、三角形の中心にプロダクト(The Product)、各頂点に開発者(Developers)、顧客(Users)、ビジネス(The Business)が置かれ、各要素が互いに関与し合っています。


プロダクトマネージャーにおける業務と責務とは

ここでDaniel Schmidt氏は、プロダクトマネージャーの業務と責務について、「プロダクトマネージャーは、プロダクトに直接触れる業務は行わない代わりに、各領域において健全な機能を果たすよう努める責務がある」と述べています。

これは、プロダクトに直接関わるのは、先程説明した開発者、顧客、ビジネス(セールスやマーケティング)を行う人々であり、プロダクトマネージャーは直接介入すべきではないということです。また各領域とは、開発者と顧客を結ぶ領域をA、 顧客とビジネスを結ぶ領域をB、ビジネスと開発者を結ぶ空間をCとする空間領域と、それぞれが重なり合う融合領域を指し、この2つの領域を上手く機能させることがプロダクトマネージャーに求められます。




それでは具体的に、プロダクトマネージャーはどの様な業務を行うのでしょうか?

それらを示したのが以下の図です。基軸となるのは頂点に位置する3つの要素で、中心に近づけば近づくほどプロダクトの関わりが大きくなります。




以上のことから、プロダクトマネージャーには融合領域を含む全ての領域に目を向けて、異なる要素を上手く機能させる力が求められていると言えます。Product Schoolが公開している、5000名のプロダクトマネージャーに対して調査を行った「The Future of Product Management Report」によると、約44%の企業がプロダクトマネージャーを増員していると発表しており、これはデジタルトランスフォーメーションを進める企業が増加したことが関係していると言われています。今後も増え続けるであろうプロダクトマネジメント業務。それらを円滑に進めるために、プロダクトマネジメントトライアングルというフレームワークは必須ツールになることでしょう。

プロダクトマネジメントに必要なツール

前章では、プロダクトマネジメントトライアングルと各領域についてご紹介しました。開発者・顧客・ビジネスを行う人々の三者が密接に関わっている中で、各領域を上手く機能させることが必要であるプロダクトマネジメントですが、プロダクトマネージャーがチームでビジネスを行う時、特に意識して行う業務はざっくり以下の5つになります。

(1)プロダクトの利用促進
(2)顧客フィードバックの獲得
(3)プロダクトの分析・改善
(4)プロダクトの設計
(5)プロジェクトマネジメント

それらのシーンで活用できるプロダクトは以下の通りです。

(1)プロダクトの利用促進
・Fullstar / pottos

(2)顧客フィードバックの獲得
・Amplitude / Mixpanel

(3)プロダクトの分析・改善
CREATIVE SURVEY

(4)プロダクトの設計
・Miro / Strap / Figma

(5)プロジェクトマネジメント
・Flyle / Backlog

詳しく各シーンに合わせたマネジメントツールを10つまとめた記事がございますので、これからプロダクトマネジメント業に関わる方は是非ご覧ください。

【PMツール記事の埋め込み】

https://fullstar.cloudcircus.jp/media/column/product-management-tool

まとめ

本記事では、プロダクトマネジメントトライアングルを始めとするプロダクトマネジメントの説明に加えて、実務で活用することができるフレームワークやツールなどをご紹介しました。
冒頭でもお伝えした通り、プロダクトマネジメントは現在世界中で必要とされている業務のうちの1つです。この潮流は今後日本でも加速する可能性があるため、本記事で紹介した内容が業務の促進剤になれば幸いです。

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