ユーザー定着率とは? 重要性や定着率を上げる方法について紹介

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ユーザー定着率とは、新規ユーザーがどれだけ継続的にサービスを利用しているかを表す指標です。
マーケティング施策でユーザーを獲得しても、継続的にサービスを使ってもらえないとLTVは高くなりません。サブスクリプションビジネスでは重要視される指標で、これまでもBtoCではよく聞く言葉でした。最近はBtoCだけではなくBtoBでも重要な指標と捉えられ、いかにユーザー体験を良くし、ユーザー定着率を上げるかが注目されています。

  

ユーザー定着率とは?

ユーザー定着率とは、顧客継続率やリテンション率と呼ばれるカスタマーサクセスの指標で、新規ユーザーがある期間内にアプリやサービスをどれだけ継続して使ってくれているかの割合を指します。定着率は「ある期間内における継続顧客数÷新規顧客数×100」の計算をすれば調査することが出来ます。定着率の数値が上がるほどユーザーとの関係性も良好になり、継続的に利益を上げやすい状況であり、低下しているとユーザーが現状のサービスに何らかの不満があるという状況を示しています。

ユーザー定着率がなぜ重要なのか

次に、ユーザー定着率を向上させることがなぜ重要なのかを、3つの観点からご説明します。

1.アップセル・クロスセルへの施策につなげることが出来る

アップセルは、既存顧客に追加で商品やサービスを販売して、顧客単価をアップさせる営業手法の一つです。 クロスセルとは、商品・サービスの購入を検討している、または既存顧客に対して、関連商品やサービスを提案して売上をアップさせる営業手法です。 このアップセルやクロスセルは既存顧客全員に対して行える営業手法ではなく、すでに利用している商品やサービスの満足度・継続率が高く、現状に満足していない顧客に対して効果が出る手法です。 ユーザー定着率が高いということは、継続的に商材を利用している顧客の割合が高く、顧客との関係が良好なのでアップセル・クロスセルによる顧客単価の向上目指しやすくなります。

2.プロダクトを利用する習慣ができ、Must haveなサービスになる

Must haveなサービスとは、ユーザーにとって「無くてはならない・導入しない理由がないサービス」の事を指しており、反対にNice to haveなサービスでは、「あると嬉しいが無くても困らない」というサービスです。Must haveなサービスになるためには、常にユーザーからサービスを必要としてもらうこと、ユーザーにとってサービス・プロダクトを使用するのが当たり前な状態を作ることが重要です。プロダクトを継続して使う習慣ができている既存顧客の数が増えている=ユーザー定着率が向上しているということなので、ユーザー定着率を調査することはサービス・プロダクトの成長率に非常に重要な指標となっています。

3.顧客のLTVを向上できる

LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略語です。 日本語では「顧客生涯価値」と表現され、「顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値・総額を表す指標」として使われます。 ユーザー定着率が向上すると、それだけ商品やサービスに対する利用継続率が高まるので、顧客が生涯を通して企業にもたらす価値も向上していくことになります。

ユーザー定着率が低下する理由

そんなユーザー定着率が低下していく要因は次のような理由が挙げられます。

サービスが使いづらい

ユーザーがサービスを使っている際、使いづらいと考えていると、活用するモチベーションはどんどん低下していき、最終的には解約に繋がってしまいます。操作がわかりづらい、活用できない機能が多いなどユーザーがストレスを感じる状況が続くと、ユーザーはサービスを導入した目的を見失い課題を解決できていないと感じるため、ユーザー定着率は低下していきます。

継続的に利用する理由や機能がない

サービスを継続的に利用する理由・機能がない場合、ユーザーはサービスに価値を感じにくくなり、離脱しやすくなります。なので継続的に利活用することで、価値が増加するように設計する必要があります。具体的には、データの蓄積やユーザー同士の交流など、継続的にサービスを利用することで価値が増加するように設計する必要があります。

オンボーディングに失敗する

オンボーディングとは、企業が提供するサービスやプロダクトを導入したユーザーが、その使い方や機能を理解し、自走状態になるまでサポートするプロセスです。このプロセスが上手くいかない状態でユーザーがサービスやプロダクトを使い始めたとき、ユーザー自身が活用方法を把握できず、満足度が低下するとともに利用を継続しようという意思が無くなってしまいます。その結果解約率が増大し、ユーザー定着率が低下する要因となってしまいます。

ユーザー定着率を向上させる方法

では、具体的にユーザー定着率を向上させる方法を以下に紹介します。

オンボーディングを充実させ、確実に成功させる

オンボーディングを成功させることで、ユーザーが自走してサービスを活用できる状態になります。オンボーディングを充実させるためには、以下3点が重要です。

  1. ユーザー視点に立つ

オンボーディングの目的はユーザーがサービスを使うにあたって自走出来る状態になってもらうことです。そこでユーザーの知識やスキルレベル、ニーズ、課題を把握し、ユーザーにとって理解しやすい内容を提供することが大事になってきます。

  1. 継続的なサポート

ユーザーがサービスを駆使するためには、継続的なサポートが必要です。そのため初期オンボーディングを実施した後も、定期的にフォローアップを行うことで、オンボーディングの効果をさらに高めることが出来ます。例えば、オンラインマニュアル・動画による説明やカスタマーサポートの継続した支援などが挙げられ、これらの施策を組み合わせることで、より効果的なオンボーディングを実現することができます。

  1. 目標を明確にする

よりオンボーディングを充実させるには、サービスの導入目的やユーザーの目標を明確にすることが必要不可欠です。目的や目標を明確にすることで、オンボーディングの内容を効果的に設計しやすくなり、その成果を測定しやすくなります。その結果、ユーザーが自走出来るまでの最短距離で支援できるようになります。

UI/UXの改善

サービスやプロダクトのUI/UXが優れていると、サービスの使いやすさが向上し、顧客満足度が高くなります。操作方法がわかりやすく直感的に使えるサービスでは、ユーザーのニーズや課題を解決しやすく、ユーザーにとって価値があると感じるようになります。また、サービスのデザインや機能が魅力的だと、ユーザーはプロダクトに愛着を感じ、サービスを継続して利用したいと考えるようになり、ユーザー定着率の向上につながります。

ロータッチ、テックタッチでサービスに触れる機会を最大化する

ロータッチとは、カスタマーサクセスの取り組みの一環で、セミナーなどの形式をとることで、カスタマーサクセス担当者が、複数の顧客に対して同時に支援を行う手法を指します。一方テックタッチとは、メール配信・セミナー動画配信・チュートリアル・チャットボットなど、システムやツールを活用したサポート手法です。

これらの手法を駆使し、ユーザーに継続的なサポートを提供することで、ユーザー定着率を向上することができます。例えば、ユーザーが困っているタイミングで動画やチュートリアルを見ることで、ユーザー自身で悩みを解決することが出来るので、ストレスなくサービスを使っていただけます。また、ユーザーとのコミュニケーションを継続してとれるので、企業とユーザーの信頼関係を構築しやすくなり、ユーザー定着率の向上につながります。

サービスの利活用を進めるコンテンツを充実させる

ユーザー定着率を向上させるためには、顧客にサービスの魅力を理解してもらい、継続して利用したいと思ってもらうことが重要です。サービスの使い方やメリットを解説した資料、動画などを用意し、顧客が気軽にアクセスしやすい環境を整えることで、顧客自身が興味のあるタイミングで、サービスの魅力をより深く理解してもらえます。

顧客とのコミュニケーションを継続的に取る

顧客にサービスの魅力が一時的に伝わったとしても、その魅力を継続的に感じてもらわなければユーザー定着率は向上しません。継続的なコミュニケーションを取るためにはメールマガジンやDMでサービスの最新情報や、顧客が役立つ情報を定期的に送ることで、顧客との接点を維持することができます。 また、顧客向けのイベントやセミナーを開催することで、顧客と直接交流する機会を作ることができ、顧客との信頼関係を構築し、顧客の満足度を高めることができます。 

ロイヤルカスタマーを作る

ロイヤルカスタマーとは、商品やサービスに対して高い満足度と信頼を持ち、継続的に利用してくれる顧客のことです。 ロイヤルカスタマーを多く抱える企業は、顧客から「また利用したい」や「友人に勧めたい」と思ってもらえる企業です。 ユーザーがサービスの愛着や信頼を感じていると継続的にサービスを利用してもらえたり、友人や知人にサービスを紹介し、新規の顧客獲得に繋がったりするので、ユーザー定着率が向上しやすくなります。

まとめ

ユーザー定着率には、企業の経営にとって重要な指標です。定着率を向上させることで、ユーザーとの関係性を良好にし、継続的に利益を上げることが可能になります。また、測定された定着率から立てた仮説をもとに新規顧客の獲得に向けた施策につなげることもできます。しかし、期間設定や商材による特性を理解していないとユーザー定着率の数値は不正確になってしまうため、適切な分析・マーケティングを行うことで、新規顧客の獲得コストを抑えることができ、LTV(顧客生涯価値)を向上させることが出来るでしょう。

 

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